安物のベッドのスプリングが、男二人分の体重を受けて大きく沈み、ギシギシと激しく軋む。
獣のような身のこなしで、ヴァッシュの上に這い上がった男は、顔を間近に寄せて囁いた。
「アカンなぁ・・・ワイが弄ったる前に漏らしてもうたん?」
「・・・っ!!」
荒い息をつきながら、開放の余韻に浸っていたヴァッシュは、ウルフウッドの揶揄を含んだ
卑猥な物言いに、頬に朱を走らせる。「見せてみ」
「うわぁっ!・・・っ・・・」
ずるり、と一気にヴァッシュの下肢を纏うものを引き下げる。羞恥のあまり閉じようとする膝を
強引に割り、身体を挟み込ませた。そして外気に曝された股間に精悍な顔を寄せる。「ぐちゅぐちゅになっとるやん。」
「やっ・・・見、るな・・・」
咄嗟に伸ばした手も絡みとられ、抵抗はあっさりと封じ込まれた。
吐息が触れるほど間近で視姦され、下がりかけた熱がまたグッと上がる。
この男に・・・視られて、いる・・・。
「・・・また、大きなってきた」「う・・・っ・・・」
「先っぽから溢れとるの、止まらんやろ?触らずに出すと、ずーっとイキっぱなしみたいに
なるもんなぁ」「言、う・・・な・・・ぁっ・・」
「後ろまで、トロトロや」
熱い息とそれ以上に熱い視線を最奥の部分に感じ、ヴァッシュは何とかして逃れようと
下肢を捩じらせる。
しかし、それは一向に解かれることは無く、更に強い力で両脚を押し上げられた。そのまま浮かせた腰の奥にゆっくりと顔が近づく。ウルフウッドは一瞬だけヴァッシュの顔を
見やってニヤリと笑い、赤い舌先を秘部に伸ばした。「ウル・・・フッ・・・あぁっ!」
ヴァッシュは顎を大きく反り返らせる。くちゅり、という音と共に内側へと濡れた軟体が入り込んだ。
それは躊躇無く最奥を開いていき、淫猥な音を響かせながら敏感な肉襞を嬲り続ける。顔を上下させゆっくりと出し挿れを繰り返せば、耐え切れないといった風にヴァッシュは
首を左右に振り乱した。
深く差し挿れられたとき、ちょうど男の高い鼻が裏側の悦いところに当たってしまい、ますます
追い詰められていく。濃い蜜がじわりと先端に盛り上がって溢れ、次々に幹を伝わった。
「ぅんんっ・・・も・・・やめ・・・ひっ、あぁぁっ!!」
ヌルリと奥から引き出された舌の代わりに長い指が二本、押し込まれる。それらはぐるりと
抉るように内壁を掻き回し、ヴァッシュの悦いところを探っているような動きをみせた。「・・・っく・・・ふぁっ!?」
比較的浅めのところで行き来していた指が、ある一点を擦った時、ヴァッシュの身体が
大きく跳ね上がった。「・・・っっ!!!」
濡れた舌が熱く勃ち上がっているモノにねっとりと絡みつき、敏感な部分を舐めあげる。
強烈過ぎる快感に、きつく閉ざしたままだった目を思わず開けてしまったヴァッシュは、
ウルフウッドが自分の淫液で顔中を濡らしながら愛撫する様を目の当たりにしてしまう。あまりの淫靡で卑猥な光景に、ヴァッシュは目を逸らすことができない。
贖おうと伸ばされた手も、今は抵抗の術を忘れたように漆黒の髪に差し込まれ、
僅かにその流れを乱すのが精一杯だ。
碧い双瞳は深い悦楽で潤み、白い貌は紅潮して恍惚とした淫らな表情が浮かび上がる。
しかし、それでもギリギリのところで自分を失うまいと最後まで光を放つ瞳が、
快楽を素直に口にできず、それを耐える為にきつく噛み締めた唇が、
何度抱いても行為に慣れず、僅かに怯えて震える身体が、ウルフウッドの劣情を更に煽っていく。
ウルフウッドは、いつもに増して容赦の無い丹念さでヴァッシュの欲望に舌を這わせながら、
節のある長い指を更に奥まで埋没させた。「ああぁっ・・・!」
「おっと、まだイッたらアカンで」
「ひっ・・・あぁうっっ!!!」
そして、あとほんの僅かの刺激でも与えられたら達してしまいそうなヴァッシュの
欲望の根元を、ウルフウッドは押さえ付ける。「ぁっ・・・もぅ・・・ダ、メ・・・っ・・・」
行き場のない熱の塊が、身体の中を渦巻き荒れ狂っている。限界はもう当の昔に越えていた。
ヴァッシュの内側をいいように嬲っていた男の指が、ズルリと音を立てて出て行く。
その衝撃をヴァッシュはきつく奥歯を噛み締める事で必死に堪えた。
ウルフウッドはそんな様子を見やり、喉の奥で低く笑う。そして自分の口元を手の平で荒っぽく拭うと、スラックスの前をくつろげ、十分に昂ぶっている
自身の欲望を取り出した。
「なぁコレ、入れて欲しいやろ?」言いながら、熱く潤んでヒクつくヴァッシュの最奥の部分に、ソレを擦り付ける。
「・・・ば、かやろ・・・っ・・・く、ふぅっ・・・あぁっ・・・」
ヴァッシュは、泣き出しそうな顔を真っ赤に染め上げて視線を逸らした。
「舌や指なんかより、太ぉて長いヤツやで」
「んっ・・・う・・・ぁっ・・・」
期待に震えるヴァッシュの先端から、また新たに蜜が溢れ始める。
脚を抱え上げると、僅かにヴァッシュの肢体が震え、強張った。「おどれの一番悦えトコ・・・目一杯触ったる」
耳朶の奥に深く甘い声を流し込まれて、ヴァッシュの身体の力が抜ける。
その一瞬を見逃さず、ウルフウッドは自身の塊を一気に押し込んだ。「うあぁぁぁぁぁ・・・・・っ!!!!!」
白い喉元を限界まで反らし、ヴァッシュはウルフウッドの熱を受け止める。
「くっ・・・根元まで入ったなぁ。もうちょい力、抜けや」
「で・・・きな・・・・・・ひ、ぁっ・・・んっく・・・!」
解されたとはいえ、元々受け入れるべき場所ではないソコは、ヴァッシュにそれなりの
痛みと苦しみを与える。
力を抜かなければいけない事ぐらい、分かっていてもそう簡単に出来るものではない。
逆に身体のあちこちに力が入ってしまい、浅い息を短く繋ぐことが、今のヴァッシュに出来る
精一杯だ。
あまりのキツい締め付けに、ウルフウッドは眉間の皺を深くした。「ワイの、喰い千切る気ィか」
口端に笑みを貼り付けた雄の欲情を湛えた貌がヴァッシュを見下ろす。
獣のような双眸に犯され、ヴァッシュの内壁がドクリと脈打った。
と同時に男の質量も更に増す。「・・・ま、だ・・・?」
ビクンと身体を震わせて、ヴァッシュは怯えたようにウルフウッドを見上げる。
そんな仕草がウルフウッドの雄の被虐性を大いに煽っていることに、ヴァッシュは気付きもしない。「ああ、まだ・・・や。」
「ひっ!・・・も・・・無、理だ・・・ぁっ・・・」
内襞をますます押し広げられる感覚に、乾いた音を立てて金糸をシーツに撒き散らしながら、
ヴァッシュは嫌々と首を振った。
しかしそんな反面、全身でウルフウッドを感じさせられて、寸分の隙間が無いほどに熱で
覆い尽くされて、心の奥底まで侵食された気がして、泣き出したいほどに満たされる。堪えきれない涙が、今度こそ大きな瞳から溢れて頬を伝い、零れ落ちる。
「・・・・・・何や。ツラいんか」「・・・っ・・・ちが・・・・・・んっ・・・」
泣き顔を見られたくなくて横を向いたヴァッシュを追いかけて、ウルフウッドが屈み込んだ。
大きな掌が白い貌のラインを撫で、雫を受け止める。ぺろりと頬を舐められ、目元に口付けられた。「う〜・・・っく・・・」
今の今まで散々自分を辱め、限界まで追い詰めていた男から不意に与えられた優しさに、
ヴァッシュは驚き、ますます涙が止まらなくなる。
「・・・ぉ、ま・・・え、ズ・・・ル・・・・・・」
「あぁ?・・・聞こえへん」
シーツに横顔を押し付けるようにして、小さく呟いたヴァッシュの恨み言は、ウルフウッドの
耳まで届かなかったらしい。
「・・・も・・・いいから・・・・・・来い・・・よ・・・」
ヴァッシュは両腕を伸ばして、怪訝そうに眉を寄せる男の頭を引き寄せた。
― TO BE CONTINUED ―
ぎゃあああ!終わらなかった〜!!!
もう終わります。次、絶対終わります。