ハイ、すっかりおなじみ飛んでるシリーズです。
今回のお題は「月面星人はどうやって飛んでいるのか」
いつもの二人(格)に煙玉をかまされましたので代役*を立てました。同情するなら今の内だぜ。

「……ちょっと待て」
――待ても何もまだ始まってなかろう。せっかちなヤツだな
「違う!! どうやってもこうやっても月面星人は飛びません!
――ではこれを見ろ
「天野画伯画フースーヤがどうかしましたか」
――飛んでいるだろう*
「……飛んでるように見えるだけでしょうが!」
――お前、騙されているぞ
騙しているのは貴方です!! 月面星人は飛びません、ハイ、検証お終い。撤収撤収!」
――給料リボ払いを約束した以上、ここで帰ったら詐欺だろう。考えろ
「給料のリボ払いをOKしないで下さい! ……どうあっても何かしっかこじつけるまでは帰らないおつもりですね……?」
――探求こそが我が人生最大の目的だからな
「格好良さげな台詞を吐けば誰も彼もが納得すると思っていたら大間違いですよ。フッが口癖の誰かを鑑みるに
――さて、月面星人飛行の秘密は、独特のモップ形状にあるとみて良いだろう
「……皆を十把一絡げにモップ扱いしないで下さい。あの形なのはフースーヤだけだ!」
――これだから理想主義者は困る。いい加減、己の将来を直視しろ
嫌な事言うな!! 髪が生えている内は大丈夫なんだ、髪さえあれば」
――……そういえばこの絵、イソギンチャクに似ているな
「何をやぶからぼうに……」
――イカにも似ている
「はぁ……」
――タコにもだ
「…………海洋生物に似ていても飛びませんが」
――……
「何ですかその眼差しは。いつぞやのエラ呼吸理論は忘れて下さい*」
――ずっと流星だとばかり思っていたんだがな
こんな流星が空に現れるのは人類滅亡の日です。ともかく、元々が飛ばないのだから理由を付けるのは簡単でしょうに……”レビテトで飛んでいる”で良いじゃないですか」
――それでは面白くなかろう
「面白くする必要なぞないでしょうが! ああ、埒が明かない……どうしろと言うんだ……」
――相変わらず煩い奴だな。ではこうしよう

月面星人フースーヤはどうやって飛んでいるのか

「………………どうしても……どうっっっ   しても飛びたいんですね……」
――髭に見える線一つ一つがジェットノズルだと考えてみたが
「宇宙戦艦じゃあるまいし! 科学的に飛ばすのは諦めてくれ!」
――ほう、宇宙戦艦フースーヤか。ハッ
「何故鼻で笑う。お気に召したならもういいでしょう。撤収撤収」
――姉妹艦ローザ。ハッハッハッハ
やめろおおおおお!!!!」*


*代役
上世代とでも言いたげならしい。
*飛んでるだろう
飛んでますよね。
*エラ呼吸理論
特別講座を参照願います。
*涙ッシュ
オチも付けずに失礼な。