三角形の面積公式の利用

三角形の面積公式から円周率を導こうとして失敗した例。

π=lim[θ⇒0](180/θ)sinθを導く

2005/06/24

高校1年で習うレベルの数学を用いて円周率を計算することにする。ただし表記に極限を用いているが、極限の高度な式変形は一切用いない。この部分は後に分かるので、この式を1から求めてみよう。

三角形ABC、∠CAB=θ

まずこのような三角形があったとする。 分かっている辺はACとAB。角はθが判明している。

小学校で習った三角形の面積公式は、面積=底辺×高さ÷2だった。 この三角形の面積を求めるには高さが足りない。 そこで、頂点CからABに対し垂直な線を引く。ABとの交点をHとする。

CからABに垂直な線を引く

CHが分かれば面積が分かる。

CHはsinθ=CH/AC

CH=AC・sinθ

故に、三角形の面積は AB×AC×sinθ÷2となることが分かる。 この式を次の場合に適用する。

円

円の内部に三角形を描いた。 この三角形の2辺の長さは両方r。 その間の角の大きさは90゜である。

先の公式より、面積はr×r×sin90゜÷2 = r2sin90゜/2 = r2/2

円に内接する正方形

これより緑の部分の面積は 4(r2/2)となる。

この緑の部分の面積がどうしたんだということだが、角θの値を小さくしていってみよう。

円に内接する正八角形

θが360/8、45゜の場合はこうだ。 どんどん緑の部分が円に近くなっていることが分かる。 これを無限に繰り返す。 これより多角形の面積は、(360/θ)r2sinθ/2

円の面積の公式はπr2
(360/θ)r2sinθ/2で、θを0に近づけていったときの面積は円に近づく。

よって、(360/θ)r2sinθ/2 = πr2
式を整理し、(180/θ)sinθ = π (θは限りなく0に近い)となる。 この、θを0に近づける処理をlim[θ⇒0](180/θ)sinθと書く。即ち、

π=lim[θ⇒0](180/θ)sinθ

π=lim[θ⇒0](180/θ)sinθを利用した計算プログラム

2005/06/24

まずはこの公式で実際に計算してみた。

π=lim[θ⇒0](180/θ)sinθ
θ
1/
π

しかし——Math.sin(n)に代入するnの値はラジアン。度数をラジアンに直すのに次のプログラムを使った。

var R = Math.PI/(180/X);

この式自体がMath.PI(円周率)を含んでいる。。。

結論

2005/06/24

●| ̄|_

おまけ

2005/06/24

べき級数展開はsinθを無限に微分することによって得られる。式は、

sinのべき級数展開式

Xを変数とした計算プログラムを組んでみる。

var X = 1;//(ラジアン)
var MAX = 100;//(演算制度)
var sins=X;
for(i=1;i<MAX;i++){
        var facts=1;
        for(j=1;j<=(2*i+1);j++){
                facts*=j;
        }
        sins += Math.pow(-1,i)/facts*Math.pow(X,2*i+1);
}

Xはsinθのθの部分。MAXは求めるsinθの精度sinsは求めたsinθの値を格納する。実際に走らせてみる。

べき級数展開によるsinθ
精度
θ
Debug

べき級数展開を使っても代入する角度はラジアンなため、円周率の使用は避けて通れないOTL

ページ情報

作成日時
2005/06/24
最終更新日時
2005/06/24
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