一方通行はご法度。
1つのWebサイトを構成するページはそのままではバラバラだ。それを構造として結びつけるのがサイト内リンクであり、このリンクのつけ方によってサイトのアクセス性や見やすさは劇的に変わる。リンクはユーザーアクセシビリティーの分野の1つに過ぎないが、これに絞ってアクセスしやすいリンクの貼り方について書くことにする。
これだけはなくてはならないリンクがある。無駄に高性能なナビゲーションリンクはまだ考えないとして、まずは1階層上に戻る、俗に言う「戻る」リンクが絶対に必要だ。インデックスページからジャンプできてもどこにも戻れないんじゃ不親切。ブラウザの戻るを使えばいいだろうと考えられるかもしれないが、検索エンジンから来たらブラウザの戻るは使えない。また、戻るリンクにJavaScriptでブラウザの戻ると同じ効果を出しているサイトがあるが、JavaScriptが使えないと意味がない上に検索エンジンから来た場合意味がない。ちゃんとHTMLで1階層上へのリンクを記述すべきである。
上の文章を見て思った方もいるだろうが、ブラウザの戻るは前に見ていたページに戻るで、今書いた戻るは1階層上に戻るという意味を持つ。もし閲覧者がこれを間違えて解釈したら面倒なことになる。"俗に言う「戻る」リンク"と書いたが、実は「戻る」という単語は混同しやすいのであまり使わないほうがいい。1階層上に戻る場合、「戻る」より「上へ」が適切だ。
「上へ」のリンクを記述しただけでは分からないことがある。今いる位置だ。具体的にどのコンテンツのどのページにいるか、「上へ」だけでは全く分からない。これを補うのがローカルリンク(このサイトではツリーリンクと呼んでいる)。トップページから今見ているページまでの道筋だ。このサイトにはこのリンクが標準でついている。例えば今見ているこの「サイト内リンク」というページの上には以下のように書かれている(本記事を書いた時点では)。
炭色地帯Home>WebSite作成系>考察/雑記>サイト内リンク
これは、「サイト内リンク」という(今見ている)ページが、「WebSite作成系」というコンテンツの「考察/雑記」というコーナーに属することを示している。一目でどこにいるのかわかる。また上の階層へ1発でジャンプできる。このリンクがあれば「上へ」のリンクさえも必要ない。これはナビゲーションリンクで最も重要な要素であり、これがあるとないではアクセス性が格段に違ってくる。絶対とは言わないが主なページには記述すべきである。
さらにアクセス性を上げる方法として、全てのページに各コンテンツへのリンクを張るというものがある。
方法は幾つかあり、単純にHTMLに全コンテンツのパスを記述したり、フレームを使ったり、JavaScriptを使ったりする。HTMLにベタに書く場合、コンテンツを増やした場合や変更する場合メンテナンスが大変になる。ある程度サイトが安定してきたらアリかもしれないが、普通フレームやJavaScript、CGIなどが使える環境ではSSIで入れることもできる。このサイトでは初期のころはフレームで、中期はJavaScriptの右クリックメニューでこれを実現していたが、どれも問題があり今は止めている。というのも、右クリックメニューはブラウザのメニューを消してしまい閲覧者によっては迷惑極まりないからだ。フレームは検索エンジンから直接アクセスされると意味をなさない。
ただ、このリンクは絶対に必要ではない。トップページやサイトマップに戻れば幾らでもアクセスできることから、JavaScriptでリンクをページのどこかにインクルードするだけで十分だと思う。
3種類のリンクを紹介したが、まず絶対に優先すべきは「上へ」のリンクだ。何もないなら絶対に必要。少し労力は必要になるが、次に重要なのは「現在位置を表すリンク」。居場所が分かるのは重要なのでこれはつけたいところ。各コンテンツへのリンクは任意で十分だ。とにかく、最低どのページからでもトップページに帰れるようにリンクをつけるべきである。