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秋が来た

 今年も残すところあと十日あまりとなった。時間が経つのは早いものだなあ(いろいろなものから目をそらしつつ)。
 少し早いかもしれないが2008年を振り返ってみると、ライトノベル、ちょっと昔風の言い方をすればティーンズ向けレーベル関係で驚かされるニュースが多い年だった。

 まず悲しい話題から入ると、氷室冴子の死去。これを知ったときは、ちょっとなにも考えられなくなるくらい衝撃を受けた。
 少女小説というものを読みはじめた時期に、氷室冴子の著作を手に取ることができたのは本当に幸運だったと思う。ちょうどそのころ平安文学に手を出していたので、「とりかへばや物語」の新釈版だという「ざ・ちぇんじ!」に興味を持ったのが最初で、小学生時代に著作のほとんどを読んだ。中学や高校で古文に苦手意識を持たなかったのは、氷室作品のおかげだ。
 その氷室冴子が活躍したコバルト文庫で嬉しいニュース。「流血女神伝」の子世代編が来年開始予定だとか。現在はあくまで「予定」の段階とはいえ、作者ご本人がブログ上で公にできる程度には決まっているとみていいと思う。ファンとしては立ち消えにならないことを祈るばかりだ。<ネガティブ思考

 続編といえば、9月から突如としてはじまった「魔術士オーフェンはぐれ旅」の後日談連載だ。この日記を一読すればお分かりのように(笑)、夜な夜な驚愕したり奇声を上げたりとそりゃもう大変なことになっている。
 これについてはいまさら特にコメントすることもあるまい。
 また「風の白猿神 神々の砂漠」で一部の人間には超!有名、というかもはや伝説と化した感のある滝川羊が、なぜか世紀の変わった今になってとある小説の帯に推薦文を寄せるという事態も発生した。
 これには驚きや喜びよりも、出版社はいったいなにを考えてるんだ……?という疑問の方が先立つ。いや、どう考えても未完の大作一冊で姿を消した作家では宣伝にはならなかろう。
 はっ、もしや存在だけは噂される続編原稿と共に復刊される兆しなのか?

 そして歳も差し迫ったいまになって、またしても大きなニュースが飛びこんで来た。「封仙娘娘追宝録」がついに完結するというのである。下巻が出るのだ。
 嘘ではない。甚来旗によって呼び出された平行世界の書物でもない。スウェーデンボリーの力でも、プロメテウスの大精霊によって歴史改変が行われたのでもない。本当のことである(http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200705000118)。
 上巻の出版から6年近くが経ち、もはや続きはないものと絶望視していた「刃を砕く復讐者(下)」。それから間を置かずに発売されて存在が信じられなかった「天を決する大団円(上)」は、きっとまた○年待たされるのさハハハハハ、と思っていたのに。出るのか、下巻が出るのか。完結、というすべての本読みが待ち望む事象が訪れるのか。
 秋が来た。諸君、満願成就の秋が来たのだ。
 私にはもはやこの言葉以外ない。

 ひゃっほう。

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