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あそこそ25日

 連続して日付変更直後の更新が続いていたせいで、ちょっとタイミングが遅れた今回はよけいにじりじりさせられた。
 魔術が使えるにしろ使えないにしろ、体力なしで騎士軍と戦闘するよりも、逃げることを勧めたクリーオウ。徹頭徹尾合理的なコルゴンも、彼女の方策が妥当だと判断したらしく、思いのほかすんなりと従っている。まあ憔悴しているクリーオウよりも体力がもたないらしいからなー。
 そういえば、昨日の感想で見かけた「コルゴンは魔術士の憂鬱」説について。これが当たっているとして、レティシャを圧倒するほどの実力を持ちながらめったに魔術を行使しない男、コルゴンはどういう心境なのだろうか?
 オーフェンやアザリーなどと違い(笑)、ぽんぽん魔術を使わないのは、コルゴンにとって「魔術」が行動の中心にないからではないだろうか。「背約者」で一時同じ状態になったオーフェンがクオらに手も足も出なかったのは、オーフェンは基本的に魔術を軸にして戦闘を組み立てているからだ。むろん、天人の遺産を装備したクオに魔術なしで立ち向かうのは無茶だという前提もあるが。
 というわけで、コルゴンの場合はあくまで魔術というひとつの手札がきれないだけであり、たいしたことではないのか?とも思ったが、いやいややはり問題だろう、と考えなおす。
 魔術士にとっては、自分自身を制御することが至上命題である。魔術を制御しきれなければ、それは暴発死や衰弱etc、すなわち自身の死に直結するからだ。
 コルゴンが「憂鬱」状態だとすれば、原因はおそらくスウェーデンボリーになりそこねたこととロッテーシャの裏切り。それらによって自分自身を制御できないほどの矛盾を内包したというのは、コルゴンにとってあまり認めたくないことなのだろう。
 と、憶測だけでものを言うのであった。

 さて今日も今日とて明かされた衝撃の新事実。パンパカパーン。コルゴンはもともと服薬暗殺者だった!
 謎の多いキャラだと思っていたが、そういう人物だったとは。単に詳細なプロフィールがない、というだけならほかのキャラクターも同様だが、コルゴンの場合は思わせぶりなことが「はぐれ旅」および「向かない職業」でちらちら出てくるだけになあ。
 「はぐれ旅」キムラック編でもっとも印象深いシーンのひとつにあげられるのが、血涙を流すネイム・オンリーだ。あれはシーンそのものの強烈さもさることながら、挿絵の迫力がまた素晴らしい。
 そのネイムは確実にクオによって服薬暗殺者になったと思われるが、実子に対して生命を削る薬品を与えるとか、そうした救われなさの根底には慣習があったのだな。
 てか、このぶんでは教会創設時の死の教師ってまず間違いなく全員が服薬暗殺者だよなー。「はぐれ旅」においてはネイムのみだけなのは、二百年の間に廃れたのか。<なぜそこまで想像が及ぶ?

 これは明らかにされないだろうけれど、クリーオウの所持していた丸薬はいつ入手したものなのなんだろう。順当に考えれば、タフレム市で炊き出しの手伝いをしていた際に懇意になった難民からか。だがキムラックをうろついている間に、潜伏していた難民と接触して……などと想像すると一気にハードボイルドな世界に。もう服用したのか?
 あれ、そうすると夢うつつで見ていた「緑色の空」って麻薬の副作用なのかもしれん。

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