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あそこそ10日

 ……出るんじゃないだろな(ぼそ)。

 と、思わず世迷言を口にしてしまう。おかしいなぁ、もっとこう恐れが生じたクリーオウの心情とかいまだ見えぬコルゴンの真意について考察すべき章であるはずなんだが。なぜ、兆候もなにもなく、ない可能性の方が大きい出番の気配、そればかりが気にかかるのだろう。
 われながら、ちょっと動揺がすぎるようだ。
 まあ仮に出たとしても、いい目を見ることなくコルゴンに一撃くらって死にかけるくらいの役割だと思うと、それはそれで複雑ではある。
 でも先日のチャットで盛り上がったように「荒野の禅問答のかたわらでずたぼろになって転がり、クリーオウには一瞥して後は気にもしてもらえず(しかも「誰?」と忘れさられている)、終了後もオーフェンは魔術の暴発の可能性がありレキはおねむという状況ではもちろん治癒はしてもらえず、『自業自得だ。死にたくなけりゃ歩いて帰れ』と一刀両断され、帰ったら帰ったで医者は負傷したオーフェンとコルゴンに手一杯、メッチェンにも右手が動かない人間に頼むくらいなら治療は自分でやれとヨードチンキ頭からかけられ、おやあんなところに医者の扮装をした銀髪をオールバックにした青年が以下略」という場面が容易に想像できてしまうのだな。
 いや、やっぱりそれでも出番はあってほしい。ぐるぐる。

 それ以前に死にかけから思考を離した方がいいのではないだろうか。確かに原作で登場するたびに死にかけているとはいえ、ちょうかっこいい見せ場よりも無残に死にかける展開を期待するのはあまりにも不毛な気がする。妄想の中では人は自由なのだから、そーゆー見せ場を夢想したらどうだろう、と思わないでもない。
 だが、マイナー嗜好という厳しい現実と向き合い続けてきたせいか、私の頭が固いからか、原作の枠を超えたり、テーマを侵食しかねないような妄想はできないのだ。浅はかな読者にも、この先活躍の場をねじこめる隙間は存在しないとわかっている。<そこまで言うか?
 くそぅ、それもこれも原作で見せ場がないからだっ。
 つまり念願かなって書籍化されたあかつきには、書き下ろしで八面六臂の大活躍を描いたちょうかっこいい外伝を収録するべき。読者が鼻血出して倒れるくらいの。

 話は変わって、外洋船の再登場にわくわくした。前回は遠目にちらりと出てきただけだったので、あらためてその大きさや荷を運び入れる様子などが描かれ、いよいよ出航という様子が伝わってくる。
 一冊限りの外伝という予定で書かれたものだからしかたないことだが、やっぱり開拓にまつわる諸々はみっちり書いてほしかったなあ。
 ところで、外へゆく船と聞いてまず思い浮かぶのは「指輪物語」に登場する灰色の船だ。キエサルヒマ大陸を去る船、とクリーオウが言ったから、なおのこと連想しやすかったのかもしれない。手の届かない地へと去っていく船。いやそれだと此岸には二度と戻ってこないからまずいんだけどさ。

 あ、明日11時くらいからチャット開けようかと。

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