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その他雑感

 拍手いただきました。ありがとうございます。

 「スカウト」以外にも本を読んだり、アニメも見たりしているので日記のネタには事欠かないのだ、実は。さらには「おお振り」10巻の感想もいまだに書いていない。しかたないのでおお振り以外は適当にまとめることにした。

「打撃の真髄 榎本喜八伝」松井浩
 安打製造機。そう呼ばれる選手はイチローをはじめ数多くいた。これは日本で最初にその称号を受けた選手の伝記である。
 Wikipediaの記事で興味を持って読んでみたのだが…。まず文章がよろしくない。文章だけでいえば、同じ榎本を扱った沢木耕太郎の「さらば、宝石」の方が優れている。しかしながら、本書は榎本喜八本人にインタビューし、なおかつ自身も呼吸法などのトレーニングを行っており、少なくとも「身体の言葉」で語ろうとしている点では価値があると思われる。だが描写は、いかんせん榎本の語った「神の域」に肉薄しているとは言いがたい。榎本が見た世界はオカルティックな語り口では表しえないのではなかろうか。

「喪男(モダン)の哲学史」本田透
 かなり挑発的な語り口で有名(たぶん)な本田透の力作。いや、本田の著書はこれしか読んだことないんだけどさ。ネットなどで感想を読む限りでは「本田はなにをおびえているんだ」という印象があったが、実際に読むとかなり巧妙だということが分かった。実際に哲学科で学んで基礎ができているからかもね。
 かれの本意はデリダの注釈(p.232)で述べているように、哲学を「喪」だの「モテ」だのといったキーワードで「ズラし」、脱構築することにある。だが、その「ズラし」にまったくもって余裕がないのでつっこみどころ満載な論にしあがっている。
 それにしても表紙が沙村広明かよ!

「真っ向勝負のスローカーブ」星野伸之
 著者の星野は元プロ野球選手である。130km/hを切るストレート、90km/h台のスローカーブとフォークボールしか持たない投手、星野はいかにして華々しい活躍をあげたのか。なにせスローカーブを素手でキャッチした捕手が、そのまま140km/hの剛速球で星野に投げ返したというエピソードまであるからすこぶるつきだ。おお振り読者なら三橋も一流の投手になれるかも、と希望を抱けることうけあい。

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