やっと話が動いたよ。ぎあっちょぎあっちょ。
ネットで、このアニメの特徴は、高密度の情報と展開の速さだ、という指摘を見かけた。なるほど、一理ある。画面に書きこまれた情報、ちょっとした台詞などに伏線が細かく張り巡らされ、本筋には直接絡まない小ネタなども数多く盛り込まれている。私のようにテレビの前にぼけーっと座っているだけの人間には、すべてを把握するのは難しいアニメだ。そのわりに展開がやたら大味で、作品に対して緻密な印象を持たせない。そこがこのアニメの面白いところだと思う。ぎあっちょ。
とはいうものの、待望の2期が始まって以降、「コードギアス」はどこかつまらなかった。毎週きっちりと盛り上げはするのだが、ゼロの正体がどうした、黒の騎士団がどうした、という話ばかりで肝心の本筋が動いていないように見えたからだ。この1クールは、小さな風呂敷を次々と広げ次々とたたむことに終始していたように思う。しかもその風呂敷は各々が独立しているので、次につながらない。1期はまだ風呂敷たちが連動していて、それが次第に大きなうねりになっていく様を見ることができたのだが。
このような印象を持つのは、私の興味が「ルルーシュは何を為すのか、この世界とは・ギアスとは何なのか」という点にしかないから、ということもあろう。キャラの動向も生死も、合衆国日本云々もどうでもいいんだな、実際。谷口悟朗はルルーシュという無力な少年の帰結をいかに描くのか、また現実とは違う歴史を辿っている世界とギアスの謎にどう決着をつけるのか。私の関心はそこにしかない。でも今週の藤堂と千葉さんには吹いた。リンゴはまあいい。だがそのベッドはなんだ。
まあこの14話にしても、これまでほとんど語られなかったギアス研究所がいきなり登場していきなり壊滅、という唐突さだ。1期から続く謎の数々はどう解決されるのだろう。されるよね?
いや、1期の時点で私はこのアニメをルルーシュが世界を股にかける大魔王になる話だとばかり思っていたのだが、2期の始まり方からすると、箱庭的世界から脱出する物語っぽいので。…これではまるで少女革命ウテナだな。
しかし2期に入ってからのキャラの消費っぷりには驚いた。意味ありげに登場したキャラが次々に(意味もなく)退場し、後の展開への布石かと思われた描写があっさりと回収・撤回されていく。かと思うと、唐突にハイスペックぶりが明かされた咲夜子のようなキャラもいる。もったない、といおうか、なんでだ?と首をひねっていたが、すごくシンプルな答えにたどりついてしまった。尺が足りないからだ。そうに違いない。
いやまったく、キャラ主体で見ていたらかなりしんどいのではないか、これは。
ところで、これは書きながらふと浮かんだ単なる思いつきなのだが、1期と2期で対照構造になってるんじゃないか?だとしたらおもしろいかもしれない。
アニメの感想を読もうとネットを探していてふと思ったこと。ここ数年、純粋に次週が待ち遠しい!楽しみ!と毎回どきどきするようなアニメに出会っていない。
もちろんどのアニメも面白いと思っているからこそ毎週見ているのだが、楽しむことを半ば義務化している気がする…。非常にもったいない見方をしているな、われながら。