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怖い話

 すべては冗談です。

 現在放映中のとあるアニメは、ふたりのヒロインを支持するファンの間で対立が生じているらしい。いや、対立というのは正確な表現ではないかもしれない。なにせこの私、当のアニメを見ていないものでネットで仕入れた噂話程度の知識しかないのだ。
 で、聞くところによると肩入れしていないヒロイン、あるいはつれない態度をとる主人公への罵詈雑言が今日もネットを飛び交っているそうな。まあ好悪を表すのに感情的な言葉で語るのが昨今のネットでは主流である。どんなに激した言葉で表していようと、使っている本人たちは架空のキャラクターに本気で殺意を抱いていると取るのは早計であろう。ついでに言うと、刺激の強い言葉に慣れすぎて麻痺しているんだろうね。くわばらくわばら。
 当該作に限らず、とくに恋愛面で対立するキャラクターについてはそのどちらを支持するかで現実の人間関係にも微妙な影響が出るような印象を受けるのは気のせいじゃろか。たとえば、ヤンとラインハルトどちらが好きかでファンの間で喧々諤々の論争に発展したことが……あったかもしれないなあ、なにせ息の長い作品だから。ジョーと力石、アムロとシャア、飛雄馬と花形、あるいはマヤと亜弓。なんでもいいがそういうライバル関係だとファン同士での対立はでてこなさげ。…重ねて言うが、これは単なる印象である。実態はどうか知らんよ。

 まあ私のようにカップリングに関心の薄い人間は、だれとくっつくべき云々とか、その種の話には縁がない、と思っていたら案外そうでもなかったことが先日判明した。
 以前好きだった作品についての情報を調べようと、ググってみることがある。たいていはWikpediaである程度の情報を得られるが、より細かい情報、あるいは感想を求めてファンサイトを渡ることも多い。
 先日そんな理由で検索をかけた某漫画は、主人公の少女に恋人(以下A)がいる、という設定だ。物語の中で、主人公に思いを寄せる少年(以下B)が登場する。このB、出番はわずかながらなかなか人気があり、ひょっとするとファンの数はAより多いのではと思える。主人公といい感じになりつつ、結局Bは失恋してしまうのだが、それについてのコメントがわりと怖かった。
 いわく、「主人公は本当はBが好きだった」「Bと結ばれたほうが幸せになれた」「Aは主人公を幸せにできない」「作者はBとくっつく続編を出すべき」「Aいらない」などなど。怖いよ(爆)!
 そしてA派は最終的にくっついた、つまり公式という優位からか(?)無言なのだが、たまにうっすら本音が透けて見えて怖い(爆)!!普段使わないようにしているカッコ文字を使いたくなるくらい、怖い(爆)!
 特にどっちが好きということもない私でも、そのような文章を読んでいて言い知れぬ何かを感じてしまった。つまり、悪意である。
 贔屓のキャラに幸せになってほしいという思いはわかる。肩入れしている相手がないがしろにされた、と感じたときの寂しさも承知しているつもりだ。だがしかし、だがなあ…。はたしてそれは、物語の本筋を変更してまで叶える望みだったのだろうか。
 得も言われぬもやもやを胸の内に生じさせつつ、ブラウザを閉じる。いやあ、縁がないと思っていたが俗に言うカップリング抗争ってこんな感じなのか?恐怖は足の裏に忍び寄っていたんだね(爆)!つーか、10年も前の漫画でこれなのだから、現在進行形の作品ならネットの効果もあってヒートアップはただごとじゃなかろうな。
 冗談はさておき、なにかを過度におとしめたり、嘲ったりするような発言はしないようにしよう、と自戒するのであった。

 今気がついたんだが、これってかなりデリケートな話題なんじゃね?

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