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「アメリカン・コミックス大全」小野耕世

 ウカツにも、有坂美香がアルバムを出していたと気づいていなかった。しかもリリースは7月。結構前である。
 だもんで、さっそく買ってきたアルバム「Aquantum」をBGMにしてこの本を読んだ。

 アメコミというと「スーパーマン」や「Xメン」、「ミュータントタートルズ」みたいなヒーローものしかないようなイメージがあったが、どうもそうではないらしい。具体的にはどんな世界なんだろう?というのが手に取った動機である。
 大全、と題してはいるがアメコミの世界を系統立てて説明しているというより、著者・小野耕世が過去に発表したインタビューや寸評を寄せ集めた本といったほうが正しいかも。小野のアメコミにたいする愛に満ちた語り口は、網羅的な説明よりかえってアメコミが内包する豊穣さをよく伝えていると思われ。
 ただ、一冊の中で表記の揺れが頻出したり、前提とされる知識がないと脈絡なく見える話が突然飛び出してきたりでその点は読みづらかったかな。注釈を入れるなりなんなりしてもよかったのでは。
 息抜きのつもりで読みはじめたはいいが、読むのにひいふう言いつつ3日もかかるテイタラク。モノカキだけでなく、読書力も低下しておるのう。

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