そろそろ小休止という名の雑談が終わりそうなので、いまのうちに急いで第4節、クリーオウの旅立ちの感想を書いておこうかと。
クリーオウといってまず思い出されるのは、その愛らしい凶暴さだろう。相手が天人種族の遺産の殺人人形だろうが、殺し屋だろうがオーフェンだろうがドッペル・イクスだろうが、夜襲・不意討ち・暗黒魔術なんでもありで真正面から突撃していくのが彼女の魅力であり怖ろしさだ。しかし彼女のそうした面は、東部編に入って徐々に薄らいでいくことになる。もちろん理由はレキとライアンで、かれらによってクリーオウは自分の意志を貫くことだけでは絶望に太刀打ちできないのを知ってしまう。それは拒絶に繋がる道筋であるから。ために、物語の最後の方になると、当初の勘の鋭さや傍若無人さはどこかへ消えうせたかのようだった。
死へ向けて歩いていたクリーオウはマジクによって止められ、またオーフェンは絶望しないことを彼女に伝えた。……あ、オーフェンは最後に「富士見ファンタジア文庫の寅さん」らしいことをしたんだな(笑)。
そして一年の訓練を終えた今、クリーオウはオーフェンを追いかけようとしている。背が伸びたらしいマジクは、まだ自分が旅立てるときを迎えていないからと、今は彼女を見送る立場だ。没設定がまだ有効なら、おそらくマジクがオーフェンに会うのは2年後になるだろう(とすると、そのころには戦争も終わってるのだろうか)。いまのところは、イザベラとトトカンタへ赴くようだ。
なんとその理由はマスマテュリアの氷解というから驚きだ。極寒の地マスマテュリアを通過できるとなると情勢が変わるため、貴族連盟も南側に軍を配置せざるをえない。むろん、そうさせないため地人の側へなんらかのアクションを起こすだろうが。
しかし、マスマテュリアの寒冷化はウオー・ドラゴンの影響によるものだったはず。それがなくなったということは、かれらがどこかへ移動したのか、別のなにかが起こったのか。ひょっとすると、ハーティアはこれを予期してトトカンタに残ったのかもしれない。
オーフェンが大陸脱出計画のためにキムラック人と接触したという情報が伝わっていることから、クリーオウの目的地はアーバンラマかキムラック、もしくはその両方。どちらにせよ、騎士軍と魔術士が戦争中でゲリラや武装盗賊がうようよいる地域を通らねばならない、ということに変わりはない。
そこで気になるのは、4日付の更新で出てきた「あいつ」である。どうやら「あいつ」に会うことが再会の手段になりうるらしいが、はたしていったい誰なのか。本文中の条件に合致するのはコルゴンくらいしか考えつかないが、はてしてティッシがかれのことを「凶暴」と表現するかと思うとひっかかる。それに「歪みを正す」という言葉も。ひょっとしてコルゴン、魔王になりそこねたのでグレちゃった?
ついでにそのほか設定解説の方も書いとこ。
フォルテは命名からしてレティシャとの関係性からだったのかー。そりゃ今回こーゆーことになったのも納得だ(もうメッチェンが再登場した際におなかが大きくなってたり、マジクに弟か妹ができても驚かんぞ)。てか、シャレだよねこの場合。例に出てきた「名前・家名・家名」はミシリム、「名前・名前」はコルゴンのことかと思われ。相続権が二重にある、てことでミシリムはやはりかなりのお嬢様だったのだな。
そしてマジクの目が緑色だったのは伏線でもなんでもなかったという。当時友人と「教主の言っていた刻印に違いない!」とか語っていたことが懐かしい。や、後付け設定やら偶然の関係でそうなっちゃんだろうねえ。
さて次回くらいから「あそこそ」次章、はたしてサルアは出てくるのかしら。不眠症気味だったのは治ったのかが心配だ。