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モウソウスイッチ

 タイトルはピタゴラスイッチの節回しで読んでくらはい。
 さて渦巻き娘クリーオウはぐれ旅が続く「あそこそ」だが……ここでひとつ、感想をほっぽりだして私がひそかに抱く望みを書いてもいいだろうか。
 「あそこそ」にたいして私が希望するのは、大陸の命運を、というか世界や魔術についての謎をできるかぎり書いてほしいということである。本編でさえ説明があやふやな箇所も多かったが、それはおそらく話の本筋に関わらないからと秋田が切ったからだろう。物語の目的は、設定の消化にはないからね。
 んが、今回の連載で設定の一部が明かされたり、あまつさえ本編での情報が偽りだったといわれた日には、あれとか!これとか!それとか!結局なんだったんじゃい、と思ってしまうのである。気にするなというのも無理な話だ。
 登場人物に台詞の端々で設定に言及させているのはファンサービス的な意味合いと、あとweb連載、しかもクイズが主体だからだろうなあ。本として出すなら、ここまで速い展開や説明的な台詞は書かないと思われ。
 そしてもうひとつ気になるのは――はたして、とにもかくにも、いったいぜんたい、サルアは再登場するのか?ということだ。いや実はこの1ヶ月、ずーーーーーっとそのことが気にかかっていたのだが、口に出すともう出てこないんじゃないかと思えて書くことができなかった。われながら大げさきわまりない。しかし、気にしすぎて夢にまで出てきたあたり、自分でもうろたえているのがよくわかる。
 ちまい脳みそがもてるすべての分析力で判断をくだした結果、状況のケリがつくまでに最低でもあと1回くらいは出てくる、と予想をつけたのだがさていかがなものだろう。「狼」の時点では担当編集者に忘れ去られていたよーな脇役だったのを、その後わりかし重要な役回りで再登場させたからこのままフェードアウトはないと思う。思いたい。……思ってもいい?
 最悪なのは、「いきなりですがここで終わります」と、いろいろ中途半端なところで連載終了という事態だな。なにがつらいって、あきらめていたところへ一旦与えられた希望がさくっと潰え去ることほどダメージの大きいものはないぞ。
 というわけでいま現在、私は再登場までの暇つぶしに妄想しまくっている。9月13日付の更新分だけでかなりできる。ものすごくできる。むちゃくちゃできる。あと10年前よりは脳の妄想野(なにそれ)が発達したので、既刊に目を通して行間を読みまくったりしている。うひょー。
 前にも書いたが、サルアについては改革を起こそうと考えた動機というやつがよくわからんのだよなぁ。身も蓋もないことをいえば、オーフェンがキムラックに潜入するにあたり教会側にも協力者が必要だから反逆――というか背約者か。その役割がサルアとメッチェンに振られたのだと思う。だから動機についての些細な矛盾をつついてもあまり意味がない気がしたり。
 が。そこでなお、重箱の隅をつつかざるをえないのがオタなのだよ!!
 てか、一番納得のいく説明はすでにあるんだよな。「退屈だったから」という理由が。なにせ拷問を受けてるときの自白だから説得力がある。いや、退屈云々はこやつなりの照れ隠しだとは思うんだけどね!?まじめな話でも「退屈」と茶化して言い表すきらいがあるし。それにしても喉と舌に針を刺された状況でもそういうことを言うかお前。言っちゃあなんだがただの不良少年だぞ。
 結果としては、教会を根本からひっくり返すというもくろみは失敗し(あの状況だからなにかしらの変化は起きたろうが。しかも数ヵ月後にはすべてが崩壊するというおまけつき)、逃亡生活に入ったわけで、失敗についてはどう考えていたんだろー、とか。
 くわえて、ラポワントの死にたいしてのフォローが本編中では一行もなかったので、当時からひっかかっていた。あれはいわば兄の死体を取引材料にしたようなもんだし。だから「あそこそで」一番感謝したいことのひとつは、兄が自分のために死んだことを背負っているのがわかったことだ。
 そういう経験を踏まえて、「あそこそ」におけるような難民のまとめ役にみずからついたかと思うと私としては実においしいものがある。<おいしいのかよ

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