「おーい、生きてる?」
相変わらずパイプ椅子の上で灰になってる真
いい加減起きろこのバカ野郎、ユウタン心配してんぞ
「どうしよ……」
ほっとけほっとけ、こんなのすぐ直る
「お腹すいたなぁ……」
いろいろあってすっかり忘れてたが世間では既に昼飯過ぎて街で遊んでる時間か
腹の虫が悲鳴を上げてもおかしくないな
ユウタンの食い物探しに緊急冷蔵庫調査開始!!
え〜と、卵にビールにおいしいワイン(商品名)に鬼殺し(商品名)に醤油に吉田ソース
中濃ソースに醂にのり缶鯖缶、氷とリモコン
調味料と酒と卵しか入ってねぇ……
今まで何食って生活してたんだコイツ
諦めて他を捜索すると電子レンジに異物を発見
でも出してみりゃ昨日のラ王の残りスープ
ホントにこれで生活できてたのか?
流しも七輪とヤカンとマメタンが置いてあるだけだし
流しの下の棚には普通フライパンとか置いてあるもんだが、あったのはパンパンになったゴミ袋
「なにこれ……」
ユウタンが呆れるのも無理はねーな
さてどうしたものかね
台所の近くには食べ物らしい食べ物はない
ユウタンはギター買ってお金がない
真を現実に引き戻すより他無いな
「真〜〜?
真〜〜〜!
真〜〜〜〜!!」
ダメです!! 夢幻空間に取り込まれていて意識がありません!!!!
真を呼ぶ声にだんだん怒りが混じり始めたユウタン
「いい加減にしろ!!!!」
あーあ、そろそろキレ始めたな
真の頭を思いっきりぶっ叩いても起きる気配は無いし
「そろそろ起きろこのバカァ!!!!」
ユウタン渾身の回し蹴りが真の足りない頭にヒット!!
あの体制のままぶっとび、押し入れの戸に頭を突っ込んで止まる
それでも真は起きない
「んあーーーーこのバカはぁ!!!!」
キレたってしょうがないよユウタン
今の気絶の原因はさっきの回し蹴りだもん
さて、状況を整理してみようか
まず腹が減った
しかし台所付近には食べ物らしい食べ物は無い
真を叩き起こそうとしたら押し入れの引き戸に頭突っ込んで撃沈
この部屋の構造は真しか知らない
中途半端な終わり方でスマソ
こんなところか
「ぬぎぎぎぎぎぎぎぎ」
で、ユウタンは今真の足を引っ張って押し入れから出そうとしているわけか
真ってそんなに重いわけじゃないのに何故か抜けない
何かに突っかかってんのかコイツ
これから押し入れと格闘すること5分、ようやく真がすっぽ抜けますた
「な……」
真と一緒に出てきたのはエロ本の山、山、山
これ全部押し入れの中に入ってたのかよ……
こんなボロアパートの中にこんだけ詰め込んでよく底が抜けなかったな
「……ん……あぁ……」
お、ようやく起きたかこのエロ本の主
覚醒してきた頭で周りを見渡す
床に堆積したエロ本の一冊を手に取り、ゆっくりページをめくるユウタンを視認するのに約1秒
ブッ壊れた押し入れを確認するのに2秒
ユウタンの性別を思い出すのに3秒
この惨状に呆然とするのに20秒
「ヌァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
ソニック並のスピードでエロ本をかき集めて押し入れに突っ込んで引き戸をはめる真
「やっと起きたか……」
「どどどどどどうしてこんなことになっているんディスカーーーーー!!!!」
あれだけやらないと起きない真に呆れるユウタン
ユウタンにものっごい剣幕で迫る真
「それより何か食べもn……」
「コタエテクダサイ!!!!」
恥ずかしさ故か目に涙貯めて裏声で叫ぶ真
泣きたいのはユウのほうだこのバーロー岬
「くいもん」
このアヤシイ気迫に負けずに食い物をねだるユウタン
意外と豪傑
「話が先」
「食い物が先」
「話」「食い物」「話!」「食い物」「話!!」「食い物!!」
さぁ勝つのはどっちか!!
非常に楽しくないです!!!!