『Z〜第6話〜』
・・・これは夢だな。
自分で夢だってわかる時点で夢ってのは
覚めるものだと思っていたが、そうでもないようだ。
「ぶつかっておいてゴメンも無しかよ!!」
ん?
「スイマセン!!お許しを・・・」
「そんなんで済むかよ!!」
このやり取りには覚えがある・・・・・確か・・・
「俺達を怒らせた報いをくれてやる。」
そうだこれはオズマリアにスカウトされる直前に親子連れにカラんでいた
王国の兵士を倒した時だ。
「ゴメンなさい・・・」
殴り倒されてうずくまっている父親にそれを庇う様に前に立ち
謝る娘、どう見たってどちらが悪役かは理解できる。
「ちょっとオッサン達。ウザくてキモいんですけど〜。」
俺だ。他人目に見てもおかしなガキとしか思えんな。
「小僧、痛い目にあいたくなければすっこんでろ!!」
「大の大人が無抵抗の親子に手ぇ出して情けないと思わないの?」
「何だと!!」
「王国の兵士さんってのは弱い物イジメが好きな変態さんだったんだね。」
「このガキが!!」
兵士達が10人近い数で俺をかこむ。
「ホラ、子供相手にこんな数・・・情けな。」
「やっちまえ!!」
兵士達が襲い掛かってくる。分が悪いとは言え俺がこんな連中に負けるわけが無い。
相手の攻撃をかわして電撃で意識を刈り取る。
「が・・・グハッ・・・」
最後の一人を倒した。
「なんだ・・・痛い目にあわせてくれるんじゃなかったの?」
兵士達を一瞥し見下す。
「いいぞ!!」
「かっこいい!!」
「よくやった!!」
周囲の野次馬が賞賛の声を上げる。悪い事をしたとは思ってないが
王国のブラックリストに載りはじめた手前、さっさと逃げようと思った。
「助けてくれてアリガトウ!!」
そう言われて手を握られた。見れば絡まれていた親子の娘の方が
俺の手をとり微笑んでいた。
(カワイイなぁ。)
そうだ!!最近夢に現れているのはこの娘だ。人形のようにカワイイ顔の
この娘に当時の俺は一瞬で惚れたんだ。
「お父さん体が弱くて・・・今からお医者さんに行くところだったの・・」
「そうなの・・」
この子の親父さんは野次馬に担がれて介抱されている。
「私・・・っていうの。アナタは名前なんていうの?」
ん?名前が聞こえない・・・・何故だ?
「オイそこのお前!!」
「ヤバッ、逃げろ!!」
警官らしき連中がこっちにやってくる。
「じゃあね。元気で!!」
「あっ、待って!!」
娘から手を離し逃げる・・・正直名残惜しかった。
「また・・・また会えるよね!?」
「縁があったら・・・バイバイ!!」
俺は人ごみから抜け出て逃げ出していった。
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「・・・ん・・・あっ・・・クソッ・・・いい所で!!」
目が覚めてしまった。誰かは思い出したが
肝心なところは分らずじまいでいい目覚めでないことだけは確かだ。
「名前・・・なんて言うんだろ・・・」
思えばあれが俺の初恋だった。だれかを好きになる暇なんて無かったしな。
あれから五年以上も経っている。きっとすごい美人になってるんだろう。
「また・・・会えるといいな。」
ガラにも無いことを呟いた。
だが会えたとしても今の俺は汚れすぎている。彼女の前に立つ資格は無い。
しかし、改めて思い出すと合いたい気持ちが大きくなる一方だ。
「まあいい。今日は・・・ククク・・・」
”別の美人”を使って楽しむとするか。
ピチャピチャと卑猥な音が俺の股間から鳴り響く。
寝台に腰掛ける俺の両足の間に跪き俺の肉棒を咥える可愛い獣。
エリックの調教は順調に進んでいた。最初はあんなに嫌がっていたのに
今では俺の機嫌を伺い、奉仕し、仕置きを受けることを望むまでになった。
「ふぅむ・・・っく、あっ・・・いかがですか?」
行為に没頭しながらも俺の機嫌を見るその様にかつての白騎士の面影は無い。
そこにあるのは俺に従い傅く優秀な玩具だ。
「・・・・」
ふとエリックと視線が合う。おどおどと怯え、媚びる様な視線だ。
だが、その瞳は輝きを失ってはいない。
調教され堕ちる者は大抵、正気を失い濁った視線を見せるものだが・・・
自分から望んで俺のモノになったというのか・・・・余計に気に入った。
「ああ、気持ちいいぞ。だんだん上手くなってきたな。」
「うぅむっ・・・くぅ、ありがとう・・・ございます・・・むぅ・・・」
俺の労いの言葉に頬を赤く染めるエリック。
「ククク・・・しかし、変態の相手は疲れる・・・。」
エリックに自分の立場を再認識させることも忘れない。
「そうだろ・・・エリック、お前は何者だ・・・言ってみろ。」
「ふぁ・・い・・・私は・・・ゼット様の・・・玩具で・・・変態のエリックです。
私は・・・ゼット様にお仕えし・・・・ゼット様を喜ばせるのが・・仕事です。」
「そうだ、よく言えたな。偉いぞエリック。」
エリックの金髪を優しく撫で下ろす。
「これからも俺を喜ばせろ。そうすれば可愛がってやる。」
「あぁぁ・・・ゼット様・・・・・・嬉しいです。」
エリックの微笑んだ表情が俺に向けられた。
「!!」
エリックの笑顔が俺の心を締め付けた・・・どうしたというのだ?
「どうかされましたか?」
エリックが俺の顔を覗き込む。
「いや・・・なんでもない。それより挿れてやる、横になれ。」
「はい、わかりました。」
気持ちを切り替えエリックに横になるように命じる。
「自分からお願いしてみろ。」
「・・・ゼット様。エリックの身体を・・・お気の済むまでお使いになって下さい。」
「よく言えたな。」
エリックの誘うままに秘裂に肉棒を差し込む。
「はぁぁぁ!!」
エリックは艶っぽい声を上げる。行く場所なく彷徨う両腕を俺の背中に回してやる。
「あっ・・・ゼット様。」
「ご褒美だ。気にするな。」
「んっ・・・うれしいです・・・ありがとうございます・・・」
(助けてくれてアリガトウ!!)
「!!」
夢の少女の声がエリックの声とダブッた。
(まさか・・・いや・・・)
気も迷いを振り払い、腰を動かす。そうだ・・・気のせいだ。
「ひぁっ・・・激し・・い・・・あうぅ!!」
何も考えずに勢いに任せてピストン運動を繰り返す。
擦れ合いながらお互いの体液が粘つきクチャクチャと音を漏らす。
「あぁぁん!!ゼット様のが当たってます!!・・・んあっ!!」
エリックは身悶えながらも自ら腰をくねらせて俺の肉棒を受け入れる。
「あぁっ!!・・・ゼット様・・・エリックの中は・・・いかがですか・・・うぅ・・」
「ん?・・・あぁ、いいぞ。」
迷いに気持ちを奪われ、曖昧な返事を返す。それを不快と思っていると感じたのか
エリックの顔が悲痛に歪む。
「ダメ・・でしょうか・・あっ・・・申し訳・・ございません・・・お許しを・・」
(スイマセン!!お許しを・・・)
夢の少女の姿が見えた。いや・・・そんな筈は・・・そんなことが・・・
「もっと・・・頑張ります・・・んんっ!!・・ですから・・・捨てないでください・・・」
(違う!!・・・そんな事を言うんじゃない・・・)
エリックが懸命に腰を動かす。俺は動揺し何も言えない。
「ん!!・・きて下さい・・・私の中に・・・出してください!!」
エリックの哀願に心と身体が分離してしまう。
(やめろ!!もうやめるんだ!!)
そう思っていても身体は言うことを聞かない。絶頂に向けて腰を動かし
エリックを貫き続ける。
「くぅ・・・あぁぁ!!・・・ゼット様・・・ゼットさまぁぁ!!」
収縮したエリックの秘膣が俺の肉棒を食い千切らんばかりに咥え込む。
(ダメだ・・・やめろ・・・やめろぉぉ!!)
いくら命令しても身体はエリックを犯し続ける。
グイッと怒張を押し込み貫くことを止めない。
「あぁぁ・・・・ゼットさまぁぁぁ!!!」
エリックが大きく身体を反り返らせ叫ぶ。
「エリック!!」
突き上げるたびに装填され続けた灼ける様な欲望の弾丸を
エリックに打ち込む。
「あっ・・・くっ・・・ゼット様が・・・くるぅ・・・あぁ!!」
熱い銃撃でエリックは悶えながら身体を痙攣させる。
「あぁ・・・気持ちいい・・・ゼット様・・・」
熱に浮かされ呆然とするエリックを抱き起こす。
(私・・・・って言うの)
消えていた記憶がパズルのように組みあがる。
最悪の結末が・・・運命の審判が下される
(私・・・・って言うの)
「・・・・エリス?」