子供は、どうやら美少年のようだ。
予想通りの童顔、小さな身体に対してみても小さい顔、
整った鼻、小さな唇の整った顔立ち。
大きな目が半分だけ開いて眠そうな表情で俺を見つめていた――……ん?
「よ、よかった!! 目が覚めたんだなあぐぁぁあ!!?」
少年の顔をよく見ようと顔を近づけた矢先に、少年の素晴らしいノーモーション・アッパーが俺の顎を撃ち抜いた。
「いててて……」
しゃべっていた途中に喰らってしまったために不覚にも舌を噛んだらしい、じわりと血の味が口の中に広がる。
喰らった顎を軽く押さえて気付く。少年が俺の腕の中から消えていることに、
「あれ? どこいった??」
半ば呆然とした顔で少年を探すため左右に首を振る。
探しごとが嫌いな俺だったが、意外なことに、あっけなく少年を見つけることが出来た。