落日の王国・3
わななくユラの唇が、ぎこちない声で尋ねる。
「…………僕に何をする気だ……?」
ジャスバールはにやっとして言った。
「公開処刑さ。こうやってな」
ジャスバールの手がまた動き、ユラの体を覆う布地がまた引き裂かれる。
それだけに留まらず、彼はユラの両足を背後からぐいと大きく開かせた。
「……あっ…!」
広げられた尻肉の間に空気の流れを感じる。
人目にさらされることなど想定されていない、やせた尻の狭間で震える桃色の穴と性器をジャスバールはにやにやしながら見て言った。
「ここも美人だ、ユラ」
肌を撫でるかさついた掌の感触にユラは全身総毛立つ。
ジャスバールが何をする気か悟ったのだ。
「ふざける、な」
声が震えてしまう。
虚勢を張ったところで、ユラは実際に前線に出たことなどない身なのだ。
直接的な暴力を受けたことのないこの体に降りかかった、思わぬ災厄の気配に身が縮む思いがした。
その上…………この群衆の中、しかも、アイローオンの見ている前で………
何重もの意味で血の気が引いてしまったその美しい顔を、ジャスバールは笑いながら見て言う。
「ふざけてなんかいないさ。本国はオレにお前たちの処遇一切任せるとのことだ。オレの部下たちは楽しい余興を欲しがっている。それに協力してくれるなら、お前の大事な男の命だけは助けてやろうじゃないか」
乾いた指先が、くっとユラの未通の穴に触れる。
大きく背をしならせて震えたユラは、瞳をすがめて国王夫妻を見つめた。
彼らの周りは武器を構えたジャスバールの部下が取り囲んでいる。
アイローオンは、イルミナを強くその腕に抱き締めた状態であ然としていた。
まだ状況がよく分かっていないらしい。
ジャスバールは彼らを眺め、ユラの耳元にこうささやいた。
「噂じゃあの王妃様、王が大事にし過ぎてまだ処女とかいう話も聞くな。オレが女にしてやろうか、どうする?」
声にならない戦慄がユラの背を駆ける。
イルミナがそんな目に遭わされたら、誰よりも傷付くのは…
「…………やめて下さい」
自分の声ではないように聞こえる声で、ユラはつぶやいた。
「だめだ。そんなことは。あの方はただでさえおとなしい方であられるのに」
「そうだろうな。裸に剥いただけで死んじまいそうだ」
下世話な台詞を吐きながら、ジャスバールはまたユラの尻の穴に触れてきた。
嫌がって身をよじろうとするのを許さず、無理やり指を第一関節辺りまで埋めてしまう。
「……いっ…!」
苦痛と恥辱にユラがうめけば、ジャスバールは一層楽しそうに尋ねて来た。
「どうする? 参謀殿」
太い指先で強引に中をこね回され、苦痛に顔を歪めながらユラはその顔を伏せた。
「………こ、こんなことをして、楽しいんですか……?」
精一杯の問いかけに、楽しいよとジャスバールはやはり笑って答えた。
***
「ああ、あ、あーっ…!」
腰を打ち付けられるたび、ユラの喉からは悲鳴とかすかな嬌声が漏れ出る。
公開処刑が行われている広場は異様な空気に包まれていた。
ほとんど素裸に剥かれ、断頭台の刃の下に頭を垂れた美しい少年を逞しい黒髪の男が犯している。
ユラの表情はほぼ苦痛だけに満たされていたが、すでに数度ジャスバールの精液を吐き出された体だ。
その全身は紅潮して淡い桜色に染まり、唇から漏れる声はいつしかあえぎも混ざり始めている。
「ひぁ、ひいっ、あ、あっ、あああっ!」
男根を出し入れする生々しい音が響くたび、ユラの体はがくがくと前後に揺すぶられた。
衆人環視の中陵辱される少年の痴態を眺めながら、場に集った兵士たちは目を輝かせて喝采を送る。
「たまんねえ、もっとめちゃくちゃに突っ込んでやって下さい、将軍!」
「ひいひい言って悦びやがって、とんだ参謀様だぜ!」
下品な台詞が飛び交う中、ユラは懸命に目を閉じ全てから己を閉ざそうと努めていた。
しかし、ジャスバールはそれを許さない。
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