炎色反応 第一章・3


「ふっ…」
悔しいが、彼の口付けが途方もなく甘いことはティスにも分かる。
乳首をいじる指先も巧みで、くすぐったさは次第にむずむずするようなじれったさに変わりつつあった。
あの光にいじられている方の乳首は、もっと変な感じだ。
指のように明確な形がないせいなのか、力の伝わり具合がおかしい。
押されているのに、まるで何かに柔らかくかまれているようにも感じる。
「あんっ…」
いつしかティスの唇からはかすかな甘い吐息が漏れ始めていた。それを聞きとめたオルバンの瞳が三日月の形に細まる。
「案外素質がありそうだな、お前」
それは楽しそうな笑顔だった。


胸元が熱くうずき、そのうずきは次第に下肢へと伝わっていく。
オルバンは今度は唇でティスの乳首を包み込み、硬くなったとがりを舌先で転がして楽しんでいた。
「んんっ…、オルバン、さま…」
はあはあと忙しない息をするティスのもう片方の乳首は、相変わらず不可思議な光に攻められている。
まるで両方の胸を、それぞれ別の誰かに吸われているようだ。
「ひゃあっ」
オルバンの右手がいきなりティスのものをぎゅっと握り込む。
と、その先端に空気の流れを感じてティスはびくっとした。
胸への刺激に段々形を変え始めているものの先、透明なぬめりを零し出した穴に振動が触れる。
「下手に動くなよ」
胸から顔を上げたオルバンが、意味ありげな声を出した。
「オレでもここに入るぐらいに力を絞るのは、結構大変なんだぞ」
言われて、ティスはおそるおそる握り込まれたものに視線を落とした。
そこにはオルバンの操る光が一粒いつの間にか忍び込んでいて、少年の尿道口の先でふるふると揺れている。
まだ相手のしようとしていることが分からず、嫌な予感だけを感じているティスにオルバンは金の瞳を細めて笑った。
揺れていた光が更に小さくなる。
同時に、ティスは思ってもみなかった異物感に瞳を見開いた。
「ひっ……い、いや、いや、いやっ!」
つぷんと可愛い水音を立て、魔法使いの操る光がティスのものの先の穴に潜り込んできたのだ。
しかもそれは、狭い通路の中で震えながら動き始めている。
指の先ほどの距離を中に潜っては、また戻るを繰り返す。
驚いたが痛くはない。だが気持ちいいと感じるには衝撃と恐怖の方が大き過ぎる。
「やめて、やだ…………お願いです、オルバン様…」
腰の辺りがぞわぞわするような感覚に泣きそうになりながらティスは訴えたが、オルバンの答えは素っ気ない。
「中で力が暴発したらどうなると思う? おとなしくしてろ。いいな」
そう言うと彼は、握った少年のものをゆっくりとしごき始めた。
どうすることも出来ず、ティスはぎゅっと眼を閉じて彼の衣の袖を掴んでいるしかない。
「あ、ん…」
大きなオルバンの手の動きは、優しいとも言えるほどに単調。
なのに中に入り込んだ光の動きが次第に激しくなっていき、対照的な二つの刺激にティスは次第に追い詰められていった。
ティスのものを扱きながらも、オルバンは口付けをしたり首筋を甘噛みしたりして彼の反応を見ている。
先までオルバンがいじっていた乳首には、いつしかもう片方をもてあそぶのと同じ光がまとわりつき始めた。
何箇所をも同時に攻め立てられているので、まるで複数の男の相手をさせられているように錯覚してしまう。
ティスは美しい顔をうっすらと上気させ、未熟な色香をふりまきながら募っていく異常な快感に必死に耐えていた。
「はっ、あ、あぁ……、オルバン……さま…」
尿道の中をこする動きは、今やはっきりとした性感として伝わってくる。
力の塊が出入りするたびにぬめりが押し出され、くちゅくちゅと音を立てながらいやらしい飛沫がオルバンの衣に落ちるのが分かった。
両の乳首はぷっくりと勃ち、気まぐれにオルバンの指先が触れると痛いほどの感覚を伝えてくる。
「こんなことをされて、気持ちがいいのか?」
意地の悪い言葉で攻められても、ティスは弱々しく首を振ることしか出来ない。
「あっ……ああ、あっ…」
漏れ出る声は間違いなくあえぎだった。恥ずかしい、だけど声を押さえられない。
「あーっ……!」
悲鳴のような声を上げ、ティスはぽたぽたと白い粘液を零しながらオルバンにぐったりともたれかかった。
精液の出口を彼の力によって押さえられているので一度に放出することが出来ない。
その分射精感がなかなか収まらず、オルバンの肩口に押し付けられた金色の頭はしばらくひくひくと震え続けていた。
「だいぶ汚してくれたなぁ」
しばらくして、オルバンが薄く笑いながらそう言うのが耳元で聞こえた。


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