炎色反応 第一章・4
最初と同じ可愛い音を立て、ティスの尿道口をふさいでいた力は消え去った。
まだ動けない金髪の少年の体液が飛び散った衣の前を、オルバンが開く。
露になった魔法使いの体はたくましく引き締まっており、筋肉の塊のような太腿の狭間で太いものがすでに角度を変えていた。
「今度はオレが、楽しませてもらう番だな」
低く笑う彼に、射精の興奮が収まりきらないままティスは森の地面の上に横たえられた。
両足を掴まれ、胸を突くようにして大きく持ち上げられる。
性器はもちろん、軽く足を開くようにして持ち上げられたために尻肉までいっしょに割り開かれた。
未通の穴も何もかも、ティスの全てがオルバンの前にさらけ出されてしまう。
「小さくはないが、ま、普通だな。ああ、ここもきれいな色だ」
恥ずかしい体位を取らされた上の品定めの言葉にティスは思わず声を上げかけたが、乳首をいじっていた力はまだ残っている。
その力は痛いほどに立ち上がったとがりを執拗になぶり続けていて、一度達したせいか非常に敏感になった体にはいっそつらいほどだった。
「自分で足を持ってろ」
唇をかみ締めて震えているティスに冷たい命令が下される。
森の地面に立てていた爪を外し、言われるままに太腿を下からすくい上げるようにして自ら足を抱えた。
オルバンは彼が言い付け通りにしたことを確認した後、おもむろに自分の右手の指先をなめ始める。
毛づくろいをする獣のようなしぐさで指先を濡らし、それを今きれいな色だと言った肉の穴へと伸ばして来た。
「許して下さい」
涙目でティスは訴える。
無駄だとは分かっているけれど、そうせずにはいられなかった。
「許して下さい。何でもするから、それだけはやめて」
「だめだ」
一片の情もなく、むしろそれは楽しそうに喉の奥で笑いながらオルバンは濡れた指先をティスの中に浅く差し入れた。
「う、くぅ…」
指一本のことだが、それでもかなり苦しい。
「は、あっ………く、苦しい、です…」
「そうか。じゃあ、これはもっと苦しいな」
笑うオルバンの指輪が、ティスには見えない位置でまた赤く光る。
それはティスには、突然直腸の中に生じた異物感として感知された。
「ふぁっ…………あ、あっ!?」
オルバンの指の先に生まれる光。
ティスの乳首を今も絶え間なく刺激し続けている、さっきは性器の中で快楽をもたらした力が今度は彼の体内で動き始めたのだ。
「ひぃっ……あ、あう、いや、嫌ぁッ」
瞳を一杯に見開き、ティスはあまりのことに抱えていた足を離してしまった。
するとオルバンはわざとらしくため息をつき、もう一度彼の足を持ち上げてその勢いで少年の上に覆い被さる。
「そんなに死にたいか? え? 中に入ってるもので、頭の先までぶち抜いてやろうか」
決して冗談などではないと分かっている彼の言葉にティスはぞっとし、反射的に顔を背けた。
光を失い白く濁った瞳と瞳が合う。
オルバンの能力により、蜂の巣にされて殺された男の一人が虚ろにこちらを見ていた。
その顔が、いつも鏡の中で見ている自分の顔と重なった。
「……いや……」
「だろう? じゃあ、どうすればいいか分かるな」
場違いなほど優しげにささやいたオルバンが体を離す。
その際に彼のものが内股の辺りをかすめた感触にぞっとしながら、ティスはまた自分の足を抱えた。
閉じた瞳の端から絶望の涙があふれてくる。
「はっ……あ、ぁ………」
狭い通り道を押し広げるようにしながら、体内でオルバンの力が動く。
オルバン本人はティスの穴の縁を両手の指で更に押し広げ、内側から開かれては閉じるすぼまりを面白そうに見ていた。
「奥まで丸見えだ」
赤い肉壁を照らして動く力により、体の中まで魔法使いの視線に犯されている。
それはティスの感じる部分をすぐに探り当て、時にはそこばかりを、時にはわざと別の場所をと攻め方を変えながら自在に彼を翻弄した。
変わるのは攻められる場所ばかりではない。
力は突然大きくなって強烈な圧迫感を与えたかと思うと、次の瞬間には消え去ったかと思うぐらいに小さくなる。
変則的な動きに慣れることが出来ず、すくい上げた太腿の裏側をきつく掴んでいるためそこには赤い指の跡がいくつも刻まれた。
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