炎色反応 第一章・5


「う……」
後悔が後から後からわき起こり、ティスの瞳から涙となって流れ出す。
どうして今夜、森になど来てしまったのだろう。
「はぁ…ん……」
しかし、想像したこともない辱めを与えられているに関わらず、少年の声はやがてまた甘い響きを帯び始めた。
「ふあ、んっ…………そこぉ…」
前立腺の裏側を集中的に責められ、じかに性器に響く快楽を抑え切れない。
いつしか自然にほころびた小さな穴は、何かを求めるようにひくついている。
先ほど達したはずのものはまた硬度を増し、たらたらと先走りの雫を零していた。
「ああ…、オルバン、様ぁ…」
ティスは熱に浮かさたような声で彼を呼ぶ。
淫らに蕩けたその表情を眺め、オルバンはにやにやと笑って言った。
「これも気持ち良くなって来たのか。おとなしそうな顔をして、大した淫乱だな」
蔑むように言いながら、彼はむき出しの自分の性器を軽く握った。
ティスのものとは比べ物にならないほど太くて長いそれは、少年の痴態に興奮してすっかり臨戦体勢になっている。
丸みを帯びた先端が小さな尻に触れる。
だが魔力の塊に犯される悦びにあえぐティスは、最早それに気付けない状態だった。


持ち上げられた太腿にオルバンが手をついた。
はっとしてティスが彼を見たその時が、オルバンが入って来る瞬間だった。
あまりの激痛に呼吸が止まる。
快楽は一瞬にして散り去り、痛みが全ての感覚を支配する。
「……いっ…!」
ここまでされたのだ。
行き着くところが何なのかは見当は付いていたし、尻の中で蠢く力にだいぶ慣らされてもいた。
だがそこは、出すところであって決して入れるところではない。
内側から広げられる感覚にはある程度本能的に対応出来ても、外から入って来るものに対しては無防備だ。
しかもこんな…
ティスは自分の上に伸しかかかったオルバンの下肢から生えた、見たことも聞いたこともないような雄に恐怖すら覚えた。
その先はすでにティスの尻に頭を埋め、ほぐされた穴を限界以上に広げようとしている。
「やめ……無理です、入らない、そんな…、ア………!」
「うるさい」
涙ながらのティスの懇願を、オルバンは一言で切り捨てた。
彼は少年の尻を掴み、己の性器の先で肉をえぐるようにして更に身を進めてくる。
彼のものからも先走りが分泌されているため、ぬるぬると滑るそれは案外すんなりと体の中に入って来た。
でも、痛い。内部に入ったものはとにかく、彼を受け入れている入り口の部分が痛くてたまらない。
「やめて……助けて! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…!」
足を持っていた手で顔を覆い、泣きじゃくるティスを見下ろしてオルバンは冷笑した。
「ぴいぴいわめくな。頭は勘弁してやってもいいが、次に寝言をほざいたらしゃべれないようにしてやるぞ」
喉をつぶすと脅されて、ティスは顔を覆っていた手を細かく痙攣させながら口元にやった。
濡れているせいで一層美しく光るその水色の瞳を見つめ、オルバンは口の端を上げて言う。
「それでいい。なあに、お前には素質がある。その内こっちだけでいけるようになるさ」
その内、という恐ろしい単語を聞き返す暇もなく、彼はすでにティスの中に用意されていた細い通路をじりじりと満たしていった。
「うう…」
うなるような声を漏らしながら必死に我慢していると、間もなくそれは少年の体の中に完全に収まった。
ひどく痛むが、かろうじて裂けてはいないようだ。
「さあ、ここからが本番だ」
金の瞳を細め、魔法使いはいよいよ散々なぶった獲物を味わおうとしている。
口に当てた手の内側をかんで耐えながら、ティスはとにかく彼の気が済むのを待とうと自分に誓った。


←4へ   6へ→
←topへ