炎色反応 第二章・6


「やめて下さい…」
恥ずかしく、ついでに苦しい体勢を取らされたティスが弱々しい声で言う。
アインは小馬鹿にしたように鼻を鳴らすと、いきなりひょいと屈み込んだ。
足元から青い小さな小瓶を取り上げる。
酒瓶のようだ。さっきのオルバンの乱暴にも割れずに残っていたらしい。
「これはどうだ、ええ?」
言葉に続き、冷たい何かが尻に押し付けられる。
アインは拾ったばかりの酒瓶の蓋を開け、口をティスの尻に押し込もうとしていた。
感触でそれに気付いたティスの背筋に戦慄が走る。
「いやっ!」
抗おうと身をひねったティスを、誰かの手が押さえた。
「いいぜ」
「やってやれよ、お前だってやって欲しいんだろう?」
にやつく声で言うのは、いつしか股間をふくらませた他の男たちだ。
総がかりでティスを卓に押さえつけ、アインの企みを果そうとしている。
「いやだっ、オルバン様ッ」
思わずオルバンの名を呼んだティスが見たのは、いつの間にか少し離れた卓に移動している魔法使いの姿だった。
中央の卓にいた者だけでなく、いつしか酒場にいた男たちの全てがティスの周りに集まっている。
興味のない者、怖気付いた者は今頃家にでも逃げ帰ったのだろう。
それでも十数人の男たちがティスの周りを取り巻いていた。
おかげで中央部以外はすっかりがらんとした酒場の中で、オルバンは他の卓に勝手に座りそこに残っていた酒を傾けている。
こちらを見て、彼はにいと面白そうに笑った。
丁度いい酒の肴だ。
そんな風に思っているようだった。
「そんな…」
凍り付いたティスの中に、人とは明らかに違う堅い物が押し込まれてくる。
更に足を持ち上げられ、宙に浮いた尻の中に強い酒が流し入れられる。
「ひいいっ」
全く酒が飲めないわけではないが、そう強い方でもないティスが口にしたこともないきつい酒だった。
それが、直腸にじかに入って来る。
「んあ、あ、あつ…ぃ…」
中がじんじんと焼ける。
普通に犯されるのとはまた違う感覚に、ティスは朦朧としながらうめいた。
「もっといい酒を飲ませてやるよ」
アインの声が遠く聞こえて来る。
持ち上げられた尻を強い力で固定された。
酒に浸って痺れた内部をかき分け、アインの太いものがずんと押し込まれる。
「ふあ…」
突かれるたび、すり込まれる酒に目の前が回る。
力なく卓の上に横たわり、片足を掲げた状態で貫かれているティスの乳首を誰かの指がつまんだ。
「ああ…」
こね回され、息を荒げて卓の上に乗ってきた誰かの口に含まれた。
「んぅ、ああっ」
浅くかまれ、きつく吸われると自然に高い声が上がってしまう。
性器にも見知らぬ手の感触がまとわりつき、根元のふくらみをゆるやかにもみしだかれてティスは喉を仰け反らせた。
持ち上げられた太腿の内側に舌を這わせ、生白いそこにいくつもの紅い跡を付けることに夢中になっている男もいた。
性感帯と言えるところ全てを指と舌と男根が刺激している。
それをオルバンに見られている。
「あ、あっ、や……」
ぺちゃぺちゃと音を立ててとがった乳首を舐める舌先。
一息に達せられぬまま、切ない雫を零し続けるものに絡む指。
耳たぶをかまれ、耳の穴にも舌を入れられた。
生臭い匂いのする肉棒を、ティスの髪を掴んで引き上げ無理やり口に押し込もうとしている者もいる。
うまくいかないと知ると、頬や鼻先にそれを押し付けられた。
滴るものが美しい顔を汚し、そのことに興奮したらしい男の男根から白いものが飛び散る。
「あ、はっ……あぁっ…………」
口にまで入って来たものを、ティスは熱に浮かされたような目をしながら反射的に舐め取った。
金の髪にも同じ色のまつげにも精液が飛び散り、淫猥な光景に彼を輪姦する男たちは手を叩いて喜んでいる。
いつしかアインはティスの中で達し、別の男と交替しようとしていた。
生温い彼の精液が流れ出る暇もなく、新たな男の一物に穴をふさがれる。
「ひあッ…!」
「もっと飲めよ、飲みたいんだろうが、おらっ」
腰を掴まれ、酒に焼かれた内部を摩擦ですり切れそうなぐらいにえぐられた。

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