炎色反応 第二章・8
恥ずかしい思いをしながらおずおず足を開くと、オルバンは両方の膝頭に手をかけ思いきり広げた。
朝の光の中、汚されたその場所を彼の金の瞳が見つめる。
するとそこは恥じ入るようにきゅっと締まり、魔法使いの笑みを誘った。
「なかなか良かった。やっぱりお前には素質があるようだな、ティス」
何がおかしいのか、非常に機嫌が良さそうにオルバンは喉の奥で笑っている。
濡れた髪からぽたぽたと雫を零しながら、卓の上でしどけなく足を開いたティスは赤い顔をしてうつむいていた。
「そのままでいろよ」
開かれた足の間にオルバンの指が入る。
またきゅうっと締まった小さな穴に彼の指がずぶりと埋まった。
中に異物感が生じる。
オルバンの右手で火の精霊の指輪が光っていた。
「ん、あっ…………ああっ………」
球状の彼の魔力が、その指を離れて奥の深い場所まで入る。
注ぎ込まれた精液を入り口までかき出しては、もう一度奥へと。
「あ、あっ………、見ないで…」
指自体はすぐに引き抜いたオルバンだが、視線は内側から開かれる赤い肉の穴に向けらている。
粘つくものがそこからどろっとあふれ出し、そのたび男たちに犯された内部が一瞬見える。
「見られる方がいいんだろう、なあ? 夕べは燃えてたよな、お前」
くつくつと笑いながら、オルバンは先ほど彼の中に入れていた指をその口元に寄せた。
精液に濡れた指を、無理やりしゃぶらされる。
「ん、ふぅ…ううっ……」
嫌がって首を振ろうにも、喉の奥に指を突っ込まれては彼の望む通りにするしかない。
口の端から唾液を垂らし、ティスはどこか熱っぽい瞳で躾のいい子犬のようにオルバンの指を舐める。
「オレの指と、お前のここがきれいになったらまた宿で犯してやる」
ちゅく、くちゅんと卑猥な音を立てて流し込まれたものをかき出されている箇所にオルバンはもう片方の手で触れながら言った。
その指は肌をなでながら胸元に上がり、気が付けば芯を持ち始めていた乳首をつまむ。
「ん、ふ………、んん…」
爪の先で弾かれ、親指と人差し指にはさまれてもまれるたびにくぐもった声が漏れた。
昨夜あれ程何度もいかされたのに、若い肉体にはもう新たな熱がこもり始めている。
嵐の後としか形容できないほど、酒場の中はめちゃくちゃだ。
廃墟のようなその場所の真ん中で、ティスはしばらくの間オルバンの手でまた身悶えさせられた。
やがてひとしきり少年をなぶった魔法使いは、ぐったりとした彼を抱え平然とそこを後にする。
二人の痴態を見つめていた複数の視線の主もまた、慌てたようにその場を後にしたのだった。
***
ただで用意された宿に戻った後、ティスは宣言通りにまたオルバンに抱かれた。
「あっ……あっ……オルバン様ッ……、あああッ!」
「やっぱりオレのの方がいいか」
夕べの男たちの誰と比べても、一際太くたくましいものが尻の中で蠢く。
ベッドの上に膝立ちになり、壁に手を付いた状態で彼の気が済むまで抜き差しを繰り返された。
「あっ……ん、ああっ、あ、ああーっ…!」
背後から両の乳首をつままれ、こりこりともまれる悦びに腰が重く痺れる。
挙句にせっかくきれいにされた中にたっぷり出され、ティスは息も絶え絶えになりながらよがった。
さすがに疲弊して立ち上がれなくなった彼を置き去りに、魔法使いはどこかに出かけていく。
その背を見送る気力もないティスだったが、一方でああして抱いてくれて良かったとも思った。
昨夜の記憶が、たった今彼に激しく犯された事実に少し薄らいだ気がする。
あんなこと、早く忘れてしまいたい。
「……いつまでここにいるつもりなんだろう……」
てっきり今朝にでもここを離れるのではないかと思っていたのに、オルバンにそんな様子はない。
また今夜、何食わぬ顔であの酒場に行く気なんじゃないかと思うとティスはぞっとした。
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