炎色反応 第二章・11



左右の胸を赤子のようにちゅうちゅうと吸う者。
アインの足元に身を乗り出し、ティスの太腿を伝う酒、ついでに彼の性器に舌を這わせる者もいた。
赤く色づいた唇にねばっこい口付けをする者や、すんなり伸びた足を舐める者。
もちろん酒に浸されていく小さな穴に指を突っ込み、上がる淫らな音を楽しみながらかき回す者もいる。
「あん……、ああっ」
どこを愛撫されて感じているとももう分からない。
夕べと同じ、意識が朦朧とし始めたティスは、涙に潤んだ瞳を半ば閉じてしまった。
濁り始めた頭の中でぼんやりと考える。
オルバン様は、本当にどこかに行ってしまった?
もう、オレに飽きてしまった?
「さあ、おなかいっぱい飲めよぉ」
蛮行に自分も酔ったような口調で言って、アインがその場にしゃがみ込む。
昨日よりも太い酒瓶を、彼は上を向いたティスの尻の中にぐりぐりとねじ込んだ。
「んぅ…、ひ、あ……」
顔を横に向け、ティスは苦しげに声を上げた。
強い酒が勢い良く中に流れ込んでくる。
まるで酒瓶に犯され、精液を注ぎ込まれているような錯覚を覚えた。
「あ、あ、ん………、熱ぅ…」
瓶自体は冷たいのに、中に入って来る酒は灼熱のごとくに感じられる。
「気持ちいいのかよ、ほら」
アインはティスの尻に挿入した酒瓶を、抜かずにそのまま上下させた。
まだ注ぎきれない酒が、そのたびに内側から漏れてちゃぷちゃぷと音を立てる。
「あっ…! や、ああ……だめっ……………」
半透明の酒瓶に肉の口を広げられる。
無機物が内部を擦る感触にすら、ティスはびくびくと震え乳首と性器を硬く張り詰めさせた。
「何を入れてもらっても嬉しいんだなあ。こんな淫乱、女でもいないぜ」
「今度うちの犬にもやらせてやろうか。犬のはでかいぞ、へへへ」
汚い言葉に耳を犯されながら、ティスはずっぷりと尻に埋まった酒瓶に犯されてあえぐ。
男たちもまた、無機物を突っ込まれて悶える白い体に目をらんらんと輝かせて見入っていた。
「あっ、あ、だめ、もう……ああーっ!」
びくんと背筋を逸らせ、ティスはとうとう冷たい瓶を抜き差しされて達してしまった。
「はっ…ぁ…………」
彼の性器から白いものが飛び散り、自らの胸や鎖骨辺りまでを汚す。
粘つくものがなめらかな肌を伝い落ちる様がこの上なく扇情的だ。
独特の匂いがまた酒と混じって、男たちの心を淫らにくすぐった。
「んっ…………ああ…」
絶頂の余韻に震えるティスの中から酒瓶が引き抜かれる。
まだひくひくと収縮を繰り返すそこに、彼を取り囲む目は釘付けになっていた。
「これでイくのかよ」
「本当になんでもいいんだな」
いっそ感心したような言葉を浴びながら、ティスは小さな舌を出してはあはあと息を継いでいる。
「全くどうしようもない、恥知らずのガキだ」
ほとんど空になった酒瓶を卓の上に置き、アインがうわずった声でそんなことを言った。
ベルトの留め具を外す音がかちゃかちゃと響く。
取り出した性器を握り、彼はその先をティスの尻のすぼまりにこすり付け始めた。
「どうだ、これが欲しいか? これでぐちゃぐちゃにして欲しいんだろうが、ええ?」
「あの魔法使いのよりはちっせえけどな」
茶化す声に、アインはうるせえと少し本気で怒った声で言った。
ティスはティスで、思い出させられてしまったオルバンの影に切なげに大きな瞳をすがめた。
彼はひどい男だと知っている。
なのにどうして、不思議に胸が痛いのだろう。
「なあティス。お前のご主人様は村を出て行った。俺たちは確かにこの目でそれを見たんだ」
表情を曇らせたティスに、アインが駄目押しのようにそんなことを言う。
「でも安心しろよ。お前さえいい子にしてるなら、俺たちがあいつの代わりにここでお前を可愛がってやる」


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