炎色反応 第二章・12



彼の悪い仲間たちがまた同調して来た。
「そうだ、毎日好きなだけ犯してやるよ」
「足りないなら近くの村の奴らだって呼んでやってもいいんだぜ」
およそティスの望みとかけ離れたことを並べられても全然嬉しくない。
いや、と言うように彼は力なく首を振ったが、男たちにそれを信じた様子はなかった。
嘘をつけとでも言いたげだ。
もったいぶるな、本当はひどくして欲しくてたまらないくせに。
彼らがそんな風に思っているのはティスにもはっきり伝わってくる。
この人たちは、オレが好きでこんな風にされてると思ってるんだ。
ひどく胸が痛む。
けれどその一方で、そう思われても仕方がないのだろうかとも感じた。
酒瓶を突っ込まれ、それを抜き差しされて達してしまったのだ。
「……んっ」
余計なことを思い出すのではなかった。
まだ完全には消えていない身の内の熱がぶり返し、アインのものがこすり付けられているそこが収縮する。
こぷりと音を立てて一度は閉じていた穴が蠢き、中に流し込まれた酒が一筋外に流れ出た。
あっと思った時にはもう遅かった。
「こいつはすげえや。ここで欲しい、と言ったぞ」
アインが言うと、周りの男たちもそうだそうだとはやし始める。
「アイン、焦らさないで早く入れてやれよ」
「後がつかえてるんだぜ」
「そうだな」
オルバンと同じ色の黒髪を軽くかき上げ、アインはぺろりと唇を舐めた。
「さあ、感謝して味わえよ」
両手でティスの尻肉を押し広げ、彼は自身も焦らされた状態にあったものを思いきり押し込んできた。
「あああ…っ!」
一息に埋め込まれたものに、ティスは大きく声を上げてしまう。
酒瓶にはなかった熱により、体内の酒が温められて余計に染みてくるように感じた。
「いや、あっ……ああっ」
ゆっくりと、本当にゆっくりと、今入って来たものが引き抜かれていく。
もどかしさにティスは身をよじり、つんと乳首をとがらせて腰をくねらせた。
娼婦のようなしぐさを見下ろし、アインが嬉々として叫ぶ。
「嫌だぁ? 嘘つくんじゃねえよ、便所代わりのガキがッ」
「ひあッ!」
もう一度、叩き込むように奥まで貫かれて悲鳴が裏返る。
「お前はひいひい言ってよがってりゃいいんだ、生意気な口きくんじゃねえ!」
「あ、ああっ、そん、急に………!」
叫ぶ勢いで、ずんずんと体重をかけて出し入れされる。
突かれるたびに酒が内部からあふれ出し、じゅぷっ、じゅぷっと卑猥な水音を立てた。
「やめ、やめてぇ、おかしく、おかしくなっちゃ…、…ああっ…!」
制止の声にもいっさい耳を貸すことなく、左右から伸びた手がまたティスを愛撫し始める。
開発されてすっかり敏感になった乳首は彼らの格好の標的だった。
「あ、やっ………、やめ……らめぇ………」
酔いが回ったせいかろれつも怪しくなった少年の胸を、太い指が執拗に攻め立てる。
つまみ上げられ、なでさすられ、強く引っ張られるたびにどうしようもなくそこがうずいた。
「おっぱいが感じるか? ティスちゃん」
女扱いした方が気分が出るのか、ふくらみのない胸を無理やりもむ者もいる。
へそのくぼみに舌を入れる者さえいて、ティスは未知の感覚になすすべもなくあえいだ。
「男の子のところも気持ち良くてたまらないんだろう? 先がぐしょぐしょだぞ」
そう言ったのは、アインの仲間の気の弱そうな青年だ。
と言っても今は細面の顔を淫らな興奮に紅潮させており、とてもそうは見えないが。
彼のあの繊細な指がティスの性器に伸びる。
元々敏感な場所である先の小さな穴を、親指でぐりぐりとこすられた。
「あうぅっ」
彼が言う通り、先走りにすでに濡れているそこへの刺激は強すぎた。
アインを受け入れている部分がきつく締まり、彼が情けないうめき声を上げる。


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