炎色反応 第三章・11



「そうだ。黙っていろよ」
差し込んだ指をゆっくりと引き抜きながら、オルバンがティスに続いて言う。
「静かにして、お前の弟がよがるのをよく聞いてやれ」
「あっ…!?」
イーリックには見えないオルバンの指先から、ティスの中に力の塊が産み落とされる。
「あ……あぁっ」
「ティス?」
声の調子が変わったことに気付いたのだろう。
いぶかしげな顔をするイーリックから顔を背け、ティスはいつものように奥を犯し始めた光に耐えようとした。
「はぁっ…あ、あ、あ……」
幾人もの男に突き上げられ、鳴かされた部分を精霊の力が舐めずる。
とても堪えられない快感に、ティスは膝をがくがくさせた。
イーリックの眼前にさらされた性器も更に角度を急にし、先端から先走りがにじみ始める。
「気持ちいいか」
薄笑いしながら、オルバンは手をティスの性器に添えた。
「あ…」
にちゃにちゃと音を立てながら、そこを優しく扱かれる。
くびれをすくい、根元のふくらみをもむ動きに腰が揺らめいた。
「はっ……あ、ああっ…」
ついに膝が砕け、ティスはくなくなとその場に崩れてしまう。
オルバンも地面に座り込んで彼を腕の中に抱き込むと、イーリックに向かって足を開かせた。
硬直したイーリックの目に、しどけなく開いた白い足の狭間はよく見えているだろう。
尻の狭間で蠢く、小さな光の粒も。
それは淡い色をしたティスの穴を内側から開いては引っ込み、開いては引っ込みして中から彼を犯していた。
イーリックは愕然とした顔をして少年の痴態を見つめている。
「ん、んッ」
お願いだから、そんなに見ないで欲しい。
無意識に閉じようとする足をオルバンが押さえ付け、もっとよく見えるようにとその足を上に掲げてしまう。
その拍子にティスの性器からあふれた先走りが尻の谷間に流れ込んだ。
ひくつく肉の穴が粘液にまみれ、力の塊が出入りするたび粘つくような音が上がる。
ぐちゅっ、ぐちゅっという音、そのたび生まれる言いようのない恥辱と快楽に、ティスは閉じた瞳の縁から一筋の涙を流した。
「隠すなよ、今更だろうが」
思わず恥ずかしい場所を覆おうとしたティスの手を、背後のオルバンが易々と掴み上げる。
「ほら、自分でおにいちゃんによく見せてやれ」
今までオルバンが支えていた足を、自らで掲げるように強要される。
ティスはぶるぶると痙攣する腕で自分の足を抱え、陵辱される自分をさらけ出した。
「ティス」
呆然としたイーリックの呼び声。
夢なら早く覚めて欲しかった。
「あ、あっ……ああああっ」
だがこれは夢ではなく、射精の瞬間は近付いて来ている。
オルバンは空いた手でまた乳首や性器を触り始めた。
含み笑いをした唇がティスのそれに被さってくる。
「んぅ……、ん、ん…」
強引な舌に口腔をなぶられる内に、ついにティスは我慢の限界を越えた。
ぴしゅっという音とともに、オルバンの手の中の性器の先から体液が吹き上がる。
一部はイーリックの手前辺りまで飛んで、木漏れ日に白くぬらぬらと輝いた。
「はぁ……」
口の中から舌を抜かれ、ティスはため息を吐いて体を弛緩させる。
とうとう、イーリックの見ている前で達してしまったのだ。
「たくさん出たな」
ティスの精液に濡れた指をその目の前にかざしてオルバンは笑う。
「さあ、今度はオレが楽しませてもらおう」
彼は立ち上がり、ティスの体を返して四つん這いにさせた。
イーリックの顔が引きつるのが分かるが、ティスは出来るだけ視線を逸らし彼の顔を見ないように努めている。


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