炎色反応 第四章・3



「ん、んっ……ふ、ん、ん…」
ティスの乳首と性器がきつく張り詰める。
「んはぁ…あっ、あん、ああ……」
男根さながらの大きさの魔力の塊に犯される。
今までにも何度もされていたことだが、やはりどこか奇妙でそして気持ちが良くて仕方がない。
「ふあッ……、あ、あ、あああっ」
快感に口での奉仕がおそろかになると、オルバンは軽くその頬を叩いた。
「こら、お前だけ気持ち良くてどうする。しっかりしゃぶれ」
「はいっ……ん、んんっ」
言われるままにしようとするが、どうしてもうまくいかない。
まるでオルバンが二人いて、それぞれに前後から犯されているようなものなのだ。
魔力の塊が前後する力が強過ぎて、体までそれに伴い揺れている。
後ろから押さえ付けられ、ずんずんと突かれているに等しい感覚にティスはよがるしかなかった。
「んあ、オルバン様……ん、んっ、め、めくれちゃう、よぉ…」
口を離し、男根に取りすがるようにして手で奉仕の続きをしながらうわごとのように漏らす。
実際ティスの犯される穴の縁はめくれ、光に照らし出された内部の卑猥な赤色がよく見えていた。
森の闇に紛れ、いつの間にかティスの背後に立った背の高い影がぴくりと身じろぐ。
それに気付かないまま、一気に追い上げられたティスは絶頂を迎えようとしていた。
「ひぃっ、あっ、あんっ、い、いっちゃう、あ、あああっ!」
あられもない声を上げ、その性器が弾ける。
地面に勢い良く精液を放出し、いつしか四つん這いに近い体勢になっていたティスはぐったりと体の力を抜いた。
余韻に背や肩の筋肉がぴくぴくしている。
そこへオルバンの男根から精液が注がれ、なめらかな金の髪と白い肌を汚した。
「あうっ……ん、あつ…」
熱い粘液を浴びて、ティスは朦朧とうめく。
じんと痺れたような耳に、聞き慣れない声が届いたのはその時だった。
「悪趣味だな」
低い男の声。
ぼんやりと後ろを振り返ったティスの目に、ひどく大柄な青年の姿が映った。
年齢はオルバンより少し上ぐらいだろうか。
彼よりやや短めの黒髪と、考え深げな鋭い黒い瞳を持っている。
服装は、上半身は体の線が分かるほどぴったりとした袖なしの黒い上着。
見事に鍛え上げられた筋肉の盛り上がりがそのまま見えるようなものだ。
腰に一枚のあせた黄土色の布を無造作に巻き付けていて、その下に上着と同じような布製のズボンを身に付けていた。
月明かりで分かりにくいが、肌の色は少し浅黒い。
少なくとも故郷の村辺りの人間ではなさそうだ、というところまで見て取ったティスは、彼の指先できらめいた光にはっとしてしまった。
濃い黄色の石がはまった指輪。
火の魔法使いが赤い石、水の魔法使いが青い石を持っているとすれば、彼の正体は簡単に分かる。
「地の、魔法使い……様…?」
確認を取るようにティスがつぶやくと、オルバンはにやりと笑ってこう言った。
「今度は地か。一体何の用だ、ディアル」
以前会った水の魔法使い、レイネとは違いこの男とは顔見知りらしい。
そのことにティスが驚いていると、ディアルという名らしき青年は二人の側まで近付いてきた。
側で見ると、彼の肉体の力強さは圧倒的だ。
オルバンもかなり逞しいのだが、ディアルの背は彼よりなお高い。
ティスから見れば巨人と言ってもいいぐらいだ。
ディアルは無言で立ち、汚されたティスの体をじろじろと見つめ始めた。
性的な意味合いはそこにはなさそうだが、見られていることに変わりはない。
ティスは慌てて体を起こし、今更ながらむき出しの下肢を隠そうとする。
さっきまでは見られてもいいと思っていたが、快楽を極め冷静さを取り戻してしまうとやはり恥ずかしい。
精液をかけられ、どろどろにされた上半身も隠すべきかもしれないがそれよりも性器や尻を見られる方が恥ずかしく思えた。
ところがオルバンが突然体に手をかけて来た。
くるりと視界が回り、まともにディアルと向き合う形にされる。


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