炎色反応 第六章・3
乳首と性器の根元に見えない糸が絡み付く。
ぎゅっときつく締め付けられ、胸のとがりはたちまち充血して赤くなった。
硬く張り詰めた状態で留められていた性器も、同じような状態でびくびくと痙攣するようにわななく。
そんな風にしておいて、オルバンはティスの太腿をすくい上げ下からの突き上げを再開した。
「ヒッ! ひぁ、んっ、やぁっ、オルバン様ぁ……!」
待ち望んでいた快楽の、だが出口はせき止められている。
「あぁ、んっ、こ、こんなっ………、や、きついっ、やめて、取ってぇ…………!」
奥を突かれるたびに、とめどなく先走りは流れ続ける。
だがこのままでは絶頂を迎えられない。
さっきまでとは逆の状態で生殺しにされ、ティスは金の髪を振り乱して許しを乞うた。
「お願い、お願いです……! 外してっ、あ、あぁん、こんなのひどい……!」
「ザザに見られていくのは嫌なんだろう? だから手助けしてやったんだろうが」
宙吊りにされた上、性器を束縛されたことによりティスの中はいつにも増して狭く、熱い。
それを自分勝手な動きで楽しみながら、オルバンはまるで親切でやっていることのように平然と言い切る。
「そ、そんな……っ、ああ、ごめんなさいっ、いかせてお願いです…!」
欲しいところを的確にこすり上げられる快楽も、出口がないまま高まればやがて痛みに変わってしまう。
大きな瞳に涙を浮かべ、ティスは必死になって哀願した。
「おねがっ、ああっ、オルバン様、ご主人様ぁ……! い、いきたい、いきたいんです、お願い…!」
乳首と性器を赤く腫らした少年は、悩ましく眉根を寄せ懸命にいかせて欲しいと訴える。
すがりつくようにきゅうきゅうと己を締め付ける内襞のけなげさに満足したか、オルバンはくすっと笑ってこう言った。
「じゃあ認めるな? 本当は見て欲しい、見られながらいきたいんだってな」
「……ぁ……、そんな……」
一瞬戸惑いを示したティスだが、その途端に性器への束縛がきつくなる。
このままではせき止めるどころか根元からちぎり取られてしまうと青くなり、彼は諦めて叫んだ。
「そ、そうです、オレっ、オレ、み、見られながら、見られながらいきたいです……!」
「やっと認めたか。全くお前は好きものの淫乱のくせに、いつまでもつまらないことを恥ずかしがる」
楽しそうにうそぶくと、オルバンは風の精霊石に力を送った。
ティスを苦しめていた見えない糸がほどかれる。
ついでのようにザザの腕の戒めも解かれた。
思わず安堵の息を吐いたティスだが、すぐにオルバンの激しい突き上げに再びよがり始めた。
「あっ、ああっ、オルバンさま、奥まで、奥まで来てるよお……!」
自重も手伝い、ずんずんと深い部分を突かれる快楽がたまらない。
白いあごを仰け反らせ、恍惚とした表情で犯される悦びを味わうティスに背後のオルバンが言った。
「さあ、ザザによく見てもらえよ、ティス」
「あっ、あ……」
涙に半分霞んだ視界の中、見えるザザの禿頭を見つめティスは嫣然と微笑んだ。
「ふぁ、ああん、見て、見て……っ、ザザ様、オレがいくとこ見て………ッ」
縁をまくり上げられ、赤い内側までをさらしての挑発は大層扇情的だ。
主人に悦びを返すように、ねっとりと絡み付くそこはてらてらと光る体液にまみれ淫らに輝いている。
その上に二人分の精液が伝い落ちれば、抜き差しする際に上がる音だけで免疫のない者なら頬を染めてしまうだろう。
無論ザザも短い間に何度も似たような光景を見せ付けられている。
しかしオルバンは彼とティスを共有するつもりはないらしい。
せいぜいがこうして見せ付けるようにするだけ。
ティスをなぶるための道具の一つとして使われているようなものである。
それが分かっていて、それでも無視することも出来ない辺りがザザという魔法使いらしい。
大きく足を開き、自ら腰を揺すり快楽を貪る少年を薄く口を開けて凝視している。
その視線に煽られ、ティスの全身を舐める快楽の火も燃え上がった。
「あん、あぁ、オルバン様……っ、ああ、すごいッ、出して、いっぱい出して…………!」
あられもない言葉を叫ぶ少年の、頭上で戒められた腕がぴんと突っ張った。
下腹できつく勃ち上がっていた性器の先から白濁が飛び、空中に弧を描いて床を汚す。
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