炎色反応 第六章・19
動けない体に、ぬめる触手が絡み付く。
衣服のあちこちを引き裂き、それはたやすく中に潜り込んで来た。
「うわ……!」
四肢に絡み付く水の魔法が、冷たい舌となり全身を這い回り始める。
「やだ、やっ、あぁっ」
足が勝手に開き、無防備になった尻の狭間や性器にぬめりが当たった。
見知らぬおぞましい感触にどれだけ心が震えても、体は一向に自由にならない。
怯えて泣き出しそうな顔をしているティスを見て、イーリックはこんなことを言った。
「本当はもっと、優しくしたいんだ。君の気持ちが整うのを待ちたいとも思っていたけれど……君は、ひどくされるのが好きなようだから」
イーリックは手を伸ばし、服の破れ目からすべらかな肌に触れてきた。
胸元に入った指先が乳首を探り当て、芯の入り始めたそれを転がしながら更に言う。
「ほら、こんなことをされてもう感じ始めてる。本当に淫乱だね、ティスは」
オルバンには言われ慣れて来た気すらする言葉だが、彼に言われるのは耐えられなかった。
でも、恥ずかしくて怖くてたまらないのに、体が反応し始めているのも自分で分かっている。
「やめて! 触らないで、ひッ」
浅ましい姿を見せてしまうことにも怯え、必死になって抵抗するティスの小さな穴に細い触手が頭を入れて来た。
入り口付近を音を立てて舐められれば、ぞくりと甘い痺れが背筋を駆ける。
「だめ……っ」
精一杯の拒絶に、服の裂ける音が混じった。
別の触手がティスの服の、内股付近の布地を剥ぎ取ってしまったのだ。
開かれた足の狭間、半透明の水の魔法にもてあそばれる恥ずかしい場所のほとんどが露出させられてしまう。
「いい眺めだよ」
笑みを含んだ声で言われ、頭にかっと血が昇った。
真っ赤になった顔を隠すことも許されないまま、中を舐められもだえる様を視姦される。
「やっ、いやっ、これ以上っ……」
懇願するのに構わず、別のもっと太い触手がより深くに突き入ってきた。
「ひゃんっ」
液体の塊であるものに入り込まれてもそう痛くはない。
だがその後にも引き続き別の触手が侵入して来て、苦しさにティスは声をくぐもらせる。
「んぁ、あっ、入らないよぉっ…」
指なら第二関節程度のところにとどまった触手たちは、苦しむティスの中を舐め回し始めた。
ぺちゃぺちゃと音を立て、代わる代わる内壁を舐めしゃぶられるとどうしても切ない息が漏れてしまう。
「だっ……め、だめ、こんなの、こんなの嫌……」
はた目には全くの無抵抗、むしろ自ら足を開いて奉仕を求めているようですらある少年の瞳は潤んでいる。
彼の性器は頭をもたげ始めており、桃色の先に先走りがにじんでいた。
そこへも一際細い触手が絡み付く。
先の穴に冷たい感触が入って来て、ティスはびくっと身を震わせた。
「やっ! やぁ、もうだめ、もう入って来ちゃだめ……!」
尿道の中を犯される羞恥と、認めがたい快楽が心を支配していく。
性感帯に加えられる執拗な愛撫は、体が自由に動かないせいか一層鮮明に感じられた。
「かき回し……っ、あん、あっ、変、変に……」
二ヶ所から上がる淫らな水音に翻弄されて、ティスはうわごとのような言葉を漏らす。
薄赤く染まった可愛らしい顔を覗き込み、イーリックはその耳元にささやいた。
「気持ちいいんだね、ティス…………もっと奥まで、きれいにしようね」
そして彼は、すっかり硬くなった乳首に唇を寄せる。
「あっ!」
熱い舌が芯を持ったとがりに絡み付く、新たな感触にティスは声を上ずらせた。
「んん、やっ…………舐めないで、舐めるのやめて……!」
一瞬はっとしたティスだったが、尻の中に入っていた触手がいきなりずるりと深くまで潜り込んで来た。
「ひあっ!? あ、あん、いや、奥…………ッ」
人の性器では届かぬようなところまで入り込んだ触手が、深い場所をべろべろと舐め回し始めた。
「そんなッ、そんなとこだめぇ、ああ、あ、ああああっ!」
拘束された体を痙攣するようにわななかせ、ティスは急激に達してしまった。
ふさがれた性器の先からこぷこぷと精液が流れ出す。
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