炎色反応 第七章・25



「み、見ないで、やっ……!」
ヴィントレッドだけではなく、レイネとザザ、それにリオールの視線まで広げられた穴に集まって来る。
ザザなどぽかんとした顔をして、さっきの勢いの良さもどこへやら。
突然始まった陵辱劇に、すっかり呑まれてしまっている様子だ。
「嘘つけ、見られて嬉しいくせに」
揶揄するように笑ったヴィントレッドの息が内股にかかってくすぐったい。
ぐちゅ、と音を立て、彼はいきなり中に指を入れてきた。
「……んっ…………!」
あごを仰け反らせ、ティスはびくんと震える。
とろとろと零れ出す半透明の液体が、床に淫らな溜まりを作った。
「くぅ……、んんっ……」
両手の指を差し込まれ、いっぱいに穴を広げられる。
くちゅくちゅと音が響くたび、見えない男の指を伝いティスはまるで粗相をしたように恥ずかしい液体を漏らし続けた。
「あいつの出した後ってのは、分かっちゃいるが気に入らねえ。まずはきれいにしような、兎ちゃん」
卑猥な姿を目で楽しみながら、ヴィントレッドは太い指で蹂躙を繰り返す。
太い彼の指が二本も差し込まれれば、その体積は貧相な男の一物ぐらいはあった。
それで浅い部位を引っ掻き回されると、堪えようとしても声が漏れてしまう。
「はぁ、んッ…………、いや、嫌だっ……」
悩ましい声を上げる少年の胸元で、すでに乳首は赤く腫れている。
開かれた足の狭間、体液を蓄えきつく勃ち上がり始めたものの先を生暖かいものがかすめた。
「はっ……!?」
驚いて思わず下を向いたティスだが、性器の先端をじわりと包み込まれる悦楽にまたあごを仰け反らせてしまう。
「ふぁっ、ヴィント、さまぁ、や、やぁん、吸っちゃ、吸わな、だめ……!」
見えずとも感触で分かる分厚い唇と舌が、丸呑みしてしまうかのような勢いでティスのものをきつく吸う。
先端のくぼみをなぞられ、頬肉で扱かれ、あまりにも直接的な快楽にびくびくと体が跳ねた。
「あん! ああ! だめぇ、ひいっ、あ、あっ、吸うの、突くのもやめて……!」
二箇所の性感帯を乱暴に攻められ、息付く暇もない。
快感を感じている、と言うよりは溺れる小動物のような必死さで声を上げるティスの痴態をレイネはあ然としながら見つめていた。
その足に、リオールが鞭の先を当てる。
「………あっ、やめなさいリオール!」
はっとしたように声を出すレイネを、リオールは好色な笑みを浮かべて見上げた。
「どうした? 噂通りのあの人間の子供の淫乱ぶりに、さすがのお前も当てられたか」
からかわれて、レイネはやつれた頬をかっと赤らめた。
きつくにらみ付けられ、だがリオールは逆に嬉しそうな声を出す。
「ふふ、そうだレイネ…それでこそお前だ」
青い瞳にぎらぎらとした野蛮な光が踊っている。
彼もまた、激しく乱れるティスの姿に興奮してしまっているようだった。
その手にある鞭が、思わせぶりにレイネのみみず腫れだらけの足を這い登る。
それにより与えられた痛みの方を思い出したか、かすかに身を強張らせたレイネの開かれた足の間にまで鞭は入ってきた。
「あっ……!?」
異物感に目を見開くレイネの、リオールの体液を放たれたままの箇所に鞭の先が触れる。
ぐっ、と下から突き上げられ、先端が中に入り込んだことを悟りレイネは目元まで真っ赤に染めた。
「……やめなさい、恥知らずなッ…………ああっ……!」
くちゅくちゅと音を立て、リオールは細い鞭の先でレイネの中をかき混ぜる。
しばらく放置されていたため、直腸内に留まっていた精液は粘度が高くなっていた。
そのためティスのそれほどはしたなく流れ出しはしないが、やはり鞭を伝い落ちどろりとした液体がリオールの手を汚す。
「……うっ…………」
羞恥と悔しさに唇を噛むレイネだが、その胸元で凝り始めた乳首をリオールは見逃さない。
「いたっ!」
右胸の先をきつく摘み上げられ、指先でこねられ、レイネは懸命に声を殺そうとする。


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