炎色反応 第七章・26



「こんなに硬くして…………すっかりいやらしい体になってしまったな、オレのレイネは」
痛みに顔をしかめながら、なおもレイネは気丈な態度を取ろうとする。
「誰があなたのものになどっ、くっ…………!」
ある程度まで差し込まれていた鞭を、リオールはいきなり引き抜いた。
そしてすぐに引き抜いたばかりのそれを逆手に握り、握りの太い部分をレイネの中に押し込む。
「ぐっ……!」
滑り止めの鋲がいくつか打たれた、頑丈な鞭である。
申し訳程度にしか慣らされていないのに、繰り返し陵辱されたレイネの肉体は握りを深く飲み込んでしまった。
「ふふ、お前もあの子供に負けず劣らず、いい反応をするじゃないか……」
嘲るリオールの言う通り、隠すことも許されない状態のレイネの性器もいつしか頭をもたげ始めていた。
みみず腫れだらけの痛々しい身体に張り型代わりの鞭を押し込まれ、感じ始めてしまっている。
きつく眉根を寄せ、堪えようとするレイネに突き込んだ鞭をリオールは焦らすようにゆっくりと出し入れする。
「んっ! んっ、う…………」
長い銀のまつげを伏せ、あえかな喘ぎを漏らすレイネの足を拘束していた鉄の輪がいきなり開いた。
驚きに目を見開いたレイネだが、いったん自由になった両足が再び何かに囚われる。
思わず巡らせた視線の中、リオールが見せ付けるように風の石を輝かせているのが見えた。
「リオール!? やめっ、あぁっ…………!」
悲鳴を上げるレイネの両足が、ヴィントレッドに嬲られるティスと同じように大きく広げられる。
「ほら、これでお互いによく見える……」
レイネの右横に寄り添うように立ったリオールは、そう言ってうっとりと笑った。
硬直したレイネとほぼ同じ高さにまで吊り上げられたティスが、白い足を割り開かれた佳人の姿をぎょっとしたように見つめている。
その内股はすでに一度絶頂に達した証に淫らに濡れていた。
いまだ透明のままの火の魔法使いは、快楽を極めた余韻の残る体を背後から執拗になぶっている。
開かれた足の間に見える赤いすぼまりは、見えない指に犯され濡れてひくつく赤い内部を覗かせていた。
その途中、いきなりレイネの方を向かされたティスは彼に訪れた危機を知ったのだった。
「ティスっ……、み、見ないで下さい……! あーっ……!」
ずぐり、と音を立て、羞恥にきつく閉じようとしていた穴に鞭の握りが埋め込まれる。
背後の汚い壁に後頭部をすり付けるようにして、レイネは衝撃に白いあごを仰け反らせた。
「レイっ…………、あ、あああっ!」
レイネを案じる声を上げようとしたティスだが、その時後ろからヴィントレッドの男根が散々焦らされた入り口を突き上げた。
「ひあっ! ああっ、いきなりそんなッ、あんっ……!」
リオールがレイネにしているのに合わせるように、ヴィントレッドも己のものを一度根元まで小さな尻に埋め込む。
「いきなりじゃないだろう? 兎ちゃん。欲しくて欲しくてたまらなかったくせに」
かすかに荒い息を吐きながら、ヴィントレッドは乱暴にティスのあごを掴み前を向かせる。
「そら、しっかりレイネを見てやりな。淫乱の先輩として、お前の乱れぶりも優等生によおく教えてやるんだぜ」
ごくゆっくりとした速度でティスを突き上げながら、ヴィントレッドはふざけたような物言いをする。
当然鵜呑みに出来るわけがない。
泣いてしまいそうなほどに表情を歪めたレイネは、思い通りにならない自分の体に苦しんでいる。
こんな姿をティス及び他の者たちに見られることに、彼が長い間耐えられるはずがなかった。
ぎゅっと唇を噛み、ティスは目を閉じようとした。
だがヴィントレッドは少年のささやかな反抗などお見通しだった。
「ちゃんと見ておいてやらないと、レイネにもっとひどいことをさせるぞ」
お前に、ではなくレイネに、と言うところがみそだ。
びくっとしてしまうティスに、ヴィントレッドは低く喉を鳴らしてこう言う。
「前に言っただろう? 家畜のように手足を繋いで、朝も昼もなく代わる代わる人間どもに犯させる…………あの気の強い美人を、公衆便所にしてやってもいいんだぜ」


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