炎色反応 第七章・34



「やめっ……、ば、か、このっ…………」
焦るザザの息は乱れ、漏らす声にはかすかなあえぎが混ざり始めていた。
「なるほど。顔とこの禿頭さえ見えなけりゃ、お前もそこそこ可愛いじゃねえか」
感じさせることを面白がるような動きで、ヴィントレッドはザザのものを性急に追い立てていく。
おそらく経験も少ないのだろう。
実に呆気なく、ザザのものはヴィントレッドの大きな手の中で硬く反り返った。
「さて、まずは念願の兎ちゃんとやらせてやろうな」
薄いザザの体を、ヴィントレッドはぐいっと前に押し出す。
勢いでザザは、ふるふると揺れているティスの尻のすぐ側まで追いやられた。
白い肉の狭間、淫らに濡れた穴からはまだヴィントレッドのものが流れ出している。
おまけに、ここまで近付けばリオールに犯されているレイネの尻もよく見える。
「んんっ……、ふ、……ぅ……」
ぐちゅぐちゅと音を立て、奥まで突かれるたびにティスのものをくわえたレイネの唇からはこらえ切れないあえぎが漏れていた。
間近く見下ろした卑猥な光景に、ザザはごくりと喉を鳴らす。
目ざとくそれを知ったヴィントレッドはくすくす笑う。
「かっこつけるなよ、似合わねえぜ?」
「う、うるさいッ……」
かーっと顔を赤くして、なおも目を逸らすザザの後ろからヴィントレッドは手を伸ばす。
一体どうなるものかと背後が気になって仕方がないティスは、いきなり尻肉を思いきり広げられてびくりと背を反らせた。
続けて、太い指が穴の中にねじ込まれていく。
「……あっ……、ん、んっ…………!」
レイネのものの先端を舌先で舐めることでごまかしていたために、声を殺せなかった。
根元まで二本の指を埋め切ったヴィントレッドは、ザザ越しにティスを指で嬲る。
「相変わらずの締まりだな……指でこれかよ、全くいい仕込みだ」
きゅ、きゅっと緩急を付けて締め付けてくる具合の良さを彼はからかうように褒めた。
「さっき散々ぶち込んでやったってのに、仕方のない淫乱だ。男が欲しくてたまらないらしい」
ぬるりと精液の糸を引きながら、ヴィントレッドは埋めていた指を引き抜く。
名残を惜しむように口を開けた穴を、ザザは魅入られたように見下ろしていた。
「さあ、ザザ」
そんな彼の、さっきより更に硬度を増した性器をヴィントレッドは濡れた指で握り込む。
「兎ちゃんを天国に連れて行ってやりな」
「……なッ…………、う、うわっ!」
一瞬呆けていたザザの背にぴったりと覆い被さるような格好で、ヴィントレッドは彼を前に押し出した。
握り込まれていた男根が、ほぐされひくつくティスの穴へと吸い込まれるように入っていく。
「……んっ…………!」
薄々この展開は分かっていても、やはり現実となると衝撃がある。
息を詰まらせるティスと同じく、ザザも顔を引きつらせじたばたともがいた。
「やめろよ! 嫌だって、こんなこと、む、無理やりさせられたってちっともッ、うっ……!」
暴れる腰をヴィントレッドの強い指先が固定する。
ティスの中に突き入れたまま、前後に強制的に腰を揺すらされたザザはたちまち情けないうめきを漏らした。
口では嫌だ嫌だとわめいても、これまで延々とお預けを食ってきた身である。
その上ティスの体はあのオルバンが手ずから仕込んだ名器だ。
口こそ立派だが経験の少ないザザなどひとたまりもない。
「へえ、じゃあ合意の上で兎ちゃんとやりたいってか? 火の魔法使いとも思えねえ台詞だな」
傲岸不遜、人間軽視は火の魔法使いの代名詞である。
力ずくでティスを犯させながら、ヴィントレッドはまたからかうように笑った。
「良さそうじゃないか、え? さあ、もっといいことをしてやるぜ」
ティスとしっかりと繋がったザザの、平べったい尻に彼の手は触れる。
半ば自分で腰を揺すり出していたザザは、そのおぞましい感触にはっと目を見開いた。


←33へ   35へ→
←topへ