炎色反応 第七章・35
「ヴィントレッド、お前こらっ、何す、どこ触ってるんだよ!」
「なあに、せっかくだ。お前にも天国見せてやろうと思ってな」
親切ごかしにそう言うと、ヴィントレッドは薄っぺらな尻肉を強引に割った。
途端、ザザはすくみ上がる。
彼が何をしようとしているのか悟ったのだ。
「馬鹿、ふざけるなおい、待て、嫌だ、嫌だって!」
「安心しろよ、痛いのは最初だけだ。前と後ろでたっぷり楽しませてやるよ。兎ちゃんもな」
ザザに貫かれているティスは、聞こえて来た台詞に怯えて再び後ろを振り向く。
するとザザはその目を覆い隠すように手を伸ばして来た。
「み、見るな! 聞くな!」
訳が分からず、おろおろするティスの耳に続けてザザの悲鳴が届く。
「いたたたたた! 痛いやめろ、下手糞、馬鹿ッ、やめろ変態オレだぞ落ち着け!」
「うるさいな、お前だって分かってるよ。たまにはげてもの食いも一興だろう?」
笑うヴィントレッドの指が一本、すでにザザの未通の穴に埋められていた。
指自体は舐めて濡らされてはいても、受け入れることは初めてのそこは異物を拒んで必死に彼の指を締め付ける。
拒みながらも絡み付くティスとはまた違う、初心な反応をヴィントレッドは楽しんでいるようだった。
「力を抜けよ、これじゃオレのが入らないだろうが」
「入れるな! 嫌だ、オレが、なんでお前にッ、嫌だ、離せ!」
ぎゃあぎゃあわめくザザの中に指を押し込みながら、ヴィントレッドは冷たい汗を吹き始めたその耳元にささやいた。
「じゃあ入るように、穴を広げてやろうか。火で焼くか、風に切り裂かれるか。どっちがいい?」
あながち冗談とも思えない台詞にぴたりとザザの動きが止まる。
分かりやすい反応に、ヴィントレッドは満足そうに笑った。
「そう、それでいい。安心しろよ、お前は一応オレの相棒だったことだってあるじゃないか…………初めてなんだ、優しくしてやるよ」
すでに彼の股間では、力を蓄えた太い肉棒が準備されている。
緊張しきったザザの体を掴むと、ヴィントレッドはそれを強引に後ろにねじ込んだ。
「ぎゃッ…………!」
あまりの痛みに、悲鳴さえ長くは上げられない。
ティスの中に入っているものも一瞬縮こまり、ティスはその感触にまた恐る恐る振り向いた。
見上げれば、涙目になったザザが必死に苦痛を堪えている。
その後ろでヴィントレッドはきついな、と愚痴めいた声を零していた。
「ったく、これじゃ本当に裂かないと入らねえぞ……」
「い、だ、だ、ぅっ…………し、死ぬ…………ッ」
本当に死にそうな声と顔色でザザは言った。
事実ヴィントレッドの受け入れたそこは裂ける寸前まで広がり、肉の縁が引きつれてひどい痛みを訴えている。
だが実際にザザの中に入っているのはヴィントレッドの本当に先の部分だけ。
雁首さえ埋まりきってもいないのにこの有様では、ヴィントレッドも愚痴りたくもなろうものだ。
最も勝手な理屈でザザを犯そうとしているのは彼なのだが、そこは傲慢さを隠す気もない火の魔法使いである。
「しょうがねえな。兎ちゃんにも手伝ってもらおう」
ヴィントレッドの手がまたティスの尻に伸びる。
痛みに萎えたザザのものごと、彼は白い尻の肉を掴みもみしだき始めた。
「あ、あっ…………! やぁん……!」
急に与えられた刺激に、ティスは驚いて高い声を上げる。
くわえた肉棒を外から押さえつけるよう、荒々しく尻肉をもまれるとびくびくと体が震えた。
そしてヴィントレッドが加えた圧迫は、ティスの内壁を通しザザにも伝わる。
「ん、く…………ッ」
蘇って来た快楽に彼がかすかに息を荒げれば、ヴィントレッドは一息に身を進めて来た。
「ヒッ…………!」
ぱん、と音を立て、初めての体に根元まで肉棒が埋まりきる。
痛みにそれ以上の悲鳴を上げる前に、ヴィントレッドは乱暴に腰を揺らし始めた。
ティスと彼の間に挟みこまれたザザは、薄い胸や肩、背にびっしょりと冷たい汗をかきながら身も世もなくわめく。
「いでっ! いた、痛い、やめろ、ヴィントレッドっ、痛い、痛い痛い痛い……!」
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