炎色反応 第七章・36



「ちょっとは色っぽい声で鳴けねえのかよ」
呆れたように言ったヴィントレッドは、聞く耳持たないと言わんばかりにザザを突きまくる。
その動きに押し出されたザザは、ティスの尻をヴィントレッドと同じ動きで犯すことになる。
「んぁ、あ、あ…………っ、んッ」
ザザと違ってこうされることに慣れたティスは、戸惑いながらも甘い声を上げ始めた。
感じ始めた白い体は、自分の中にあるザザのものに絡み付いて快楽を返す。
「く…………、う、っぅッ……、くそっ……」
前から伝わる快楽が強くなり、後ろから伝わる激痛に次第に慣れ始めると、ザザの噛み締めた唇からも喘ぎが零れ始める。
「いい感じになって来たな。ほら…………楽しもうぜ、みんなで」
艶めいた声でささやくヴィントレッドの声も少しかすれている。
彼が動けばザザの中がえぐられ、同時にティスもより深くにザザを受け入れる。
「ふぁ……っ、んっ、んっ…………」
今まで体験したことのない強烈な快楽に惑わされたように、レイネを愛撫するティスの舌の動きも早くなっていった。
「くう、んっ、んっ…………」
絶妙な口淫を受け、不慣れなレイネもその動きをなぞるようにティスのものをしゃぶる。
「くっ、ぅ…………ッ、いいぞ、レイネっ…………」
複数で重なり合い乱れる異常事態に、リオールも煽られたようだ。
神経質なものを含んだ美貌を歪め、宙に浮いたレイネの奥を突きまくる。
犯し犯される、濡れた音を響かせての狂宴の中、最初に果てたのはザザだった。
「あ、ああっ…………! くっ、だめだっ、畜生ッ……」
悔しそうにうめきながら、骨張った体がティスの背に倒れかかる。
華奢な体の中に精を放つ一方で、少し遅れて達したヴィントレッドが自分の中に白濁を流し込むのを彼は震えながら感じていた。
「んっ……ぐっ、ふぁ…………ッ」
ティスもザザの精液を身の内に感じながら、なすすべもなくレイネの口腔に放つ。
「は…………っ、あっ、う……」
レイネは彼より先に射精したリオールに押し出されるように達し、ティスの口の中に精を放った後ぐったりと体の力を抜いてしまった。
半開きの唇と頬を汚し、ティスの白濁が伝い落ちていく。
卑猥な体液に汚された美しい顔を見つめる、ティスの上気した顔にもレイネの放出した体液が飛び散っていた。
上下の口に注がれた精液を垂れ流しながら、囚われの二人は絶頂の余韻に美しい体を震わせている。
「…………ふうん。なかなか、悪くない」
野卑な笑みを作って言ったヴィントレッドは、一歩下がってとっくりとその光景を眺めた。
そして、脱力したザザの体をようやく魔力の戒めから解放した。
まだティスの中に挿入したまま、呆けている彼は処女喪失の衝撃で再び腰が抜けたらしい。
支えを失った途端、ずるずる床に崩れ落ちてしまったのを見てヴィントレッドはにやにやした。
「げてものも意外に新鮮でうまかったぜ。なあザザ、お前もしっかり感じてたじゃないか」
「う、う、う、うるさい……っ…………、よくも……っ……」
悔し涙に目の端を光らせたザザを見下ろし、ヴィントレッドは人の悪い笑みを漏らした。
「無理するなよ、良かっただろう? オレと兎ちゃんに挟まれる天国、これからも味わわせてやるよ。なあ兎ちゃん」
暗にまた犯すことをほのめかされ、顔面蒼白になったザザからヴィントレッドはティスへと目を向けた。
くい、と緑の石がはまった指輪を彼が動かせば、ティスとレイネの体も宙吊り状態から解放される。
「……っ……! っ、た……」
互い違いに折り重なった状態で床に落とされたティスは、痛みに顔をしかめながらのろのろと声がした方を振り向いた。
と、大きな手が伸びて来て、苦もなくティスは厚い胸板の中に背後から抱きすくめられてしまう。
「……嫌っ…………!」
思わず本音が出てしまったティスの耳元に、ヴィントレッドはすかさずささやいた。
「おやおや、レイネがどうなってもいいのか? ついでにザザも。まあザザじゃ、便所にしたがる奴も少ないだろうがなぁ」
魔力も使わずにそうやって身動きできなくさせておいてから、ヴィントレッドは指先をティスの尻へと這わせた。


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