炎色反応 第七章・39


「んっ、んむっ、くっ、ん…………!」
生臭いものをくわえさせられ、むせそうになりながらレイネは屈辱を堪え舌を使う。
ティスも息苦しさに苦しみながら、喉の奥まで太いものを吸い込み懸命な奉仕を続けた。
生々しい口淫の音と、それを受ける二人のかすかな喘ぎが室内を満たす。
「上の口でくわえるだけじゃ、満足出来ないようだね」
ヴィントレッドに仕えるティスの下肢で起こっている反応を見やり、カービアンはくすっと笑った。
それに気付き、ティスは真っ赤になりながら愛撫を続ける。
舌を使って奉仕をする内に、いつしかこの体はまた淫らな熱を覚え始めたようだ。
散々精液を吐き出し、空っぽになったはずの性器がまたひくひくと震えながら屹立してしまっている。
それはレイネも同じことで、彼は悔しさにきつく眉根を寄せ瞳を閉じていた。
あらゆる意味で意志に反し、動いてしまう体を見られる屈辱にそうやって耐えている。
「レイネはそうだね、丁度いい物があるじゃないか」
笑ったカービアンの指が軽く曲げられると、先程までリオールが振るっていた鞭が空中に浮き上がった。
同時に、膝立ちの体勢でリオールに奉仕していたレイネの両足が広がる。
「ん、んっ……!?」
体の脇に垂れていた右手に飛び込んだ鞭が、彼の意志ではなく逆手に握られる。
そしてレイネは、自らの手でさっきリオールがしたように鞭の握りを自分の中に押し込んだ。
「んん! んっ、んんっ……!」
リオールが吐き出した精液にまみれ、濡れた穴はたやすく異物を飲み込む。
自由にならない彼の手は、風の糸に導かれるままとろとろと白濁を零す肉穴に鞭を出し入れし始めた。
「んっ、ん…………!」
はた目には自慰を行っているようにしか見えなくても、レイネをえぐる律動はカービアンが操るものだ。
他人の手で犯されているに変わりはなく、けれどそうは見えはしないだろうことが自尊心の強い清潔な魂を揺さぶる。
「ああ、レイネ…………」
異常事態を上から見下ろしながら、リオールは狂気の笑みに唇を歪めた。
「オレのをしゃぶりながら、自分で…………ふふ、全く、どうしようもない淫乱だな……」
男のものをくわえながら、そんな物で自分を慰める様は確かに淫乱としか言いようがない。
あまりの悔しさに、そして否定出来ない快楽に、閉じられたレイネのまぶたから涙が零れ落ちた。
目の端で今にも屈してしまいそうなレイネを見て、ティスは絶望感で胸がいっぱいになった。
その尻に、屈み込んだカービアンの冷たい乾いた指先が触れる。
「んっ……!」
びくっとしたティスの、白濁にまみれ淫らに濡れ光る尻肉を広げ彼はしげしげとその中心を見て言った。
「こんなに出してもらったのに、まだひくひくしているね。欲張りな子だ」
「んっ、んっ……」
恥ずかしいからやめて欲しいのに、体を支える足は無情に開いていってしまう。
「さて、君はどうしようかな。私と後、ザザもいるんだけど」
背後から聞こえる恐ろしい言葉に舌を休めれば、ヴィントレッドが前髪を掴み上げ粗野に笑いながら腰を突き出してくる。
「んんんッ!」
「さぼるなよ、兎ちゃん。後でまたお前を悦ばせてくれるもんだぜ、しっかりご奉仕して大きくしないか」
「んっ、っふ、ふう…………っ……」
ぽろぽろと涙を流しながら、どうしようもなく奉仕を再開したティスの後ろでカービアンは微笑みながらなおも言う。
「どうかな、ヴィントレッド。私とザザが一度に入れたら入ると思う? 君のが入るなら平気かな、とも思うんだけど」
天気の話でもするような気軽さで言ってから、彼はそうだそうだ、と一際明るい声を出す。
「いっそ何人まで同時に相手が出来るか試してみようか。そうだね、四、五人ぐらいなら大丈夫じゃないかな。拡張器具も併用すれば」
「本気で壊さない程度にしてやってくれよ?」
特に止める様子もないヴィントレッドの言葉を聞きながら、ティスの空いた両手は勝手に動き始めた。
尻肉を自ら割り開き、男を求めるはしたない姿勢を取らされる。
「うわ、わ、わっ!」
ザザの悲鳴が聞こえて来たところを見ると、彼も風の糸で操られ始めたらしい。


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