炎色反応 第七章・59
少し腰を浮かせ、足を開き、ひくついているのが分かる穴へと一息に二本の指をねじ込んだ。
「ンーッ…………!」
ぐちゅぐちゅと音を響かせながら、欲求のままに感じる部分をこすり上げる。
浮かせた尻を揺らめかせ、快楽をあさるその姿をオルバンはお決まりの言葉で嘲った。
「淫乱」
「ふう、んっ…………、むっ……」
口で奉仕をしながら、すでに達しそうになっているティスの前髪をオルバンは掴んで顔を引き上げる。
「そんなに犯して欲しいか?」
「……っぁ、んっ…………お、お願いっ…………」
悩ましく眉を寄せ、ティスは彼のものを半分口に含んだ状態でそう言った。
するとオルバンは、そのまましとどに濡れた肉棒を少年の口から引き抜いてしまう。
驚くティスの肩を押し、木の根の隙間に乱暴に押し倒した。
両足を肩に担ぎ上げられ、ぬめる男根の先を内股の薄い皮膚に押し付けられた。
続く行為を想像し、こくんと喉を鳴らしたティスの耳元に含み笑いをしたオルバンがささやいた。
「続きをしてみろ」
「……えっ?」
「自分で体をいじっていただろう。オレによく見えるように、自分で続きをしてみろよ」
ささやくだけささやいて、最後にぺろりと耳を舐められる。
ぞくっとして、思わず身を竦めたティスからオルバンは呆気なく顔を離した。
「やれ」
問答無用で命じられれば、従うしかない。
真正面から見つめられた状態で、おずおずと再び指を伸ばす。
「ん…………ッ……」
そろりと乳頭を指先でさすると、押し殺したような声が漏れた。
自慰をしているとはっきり意識した上で、それも見られながらだと思うと恥ずかしさは先程とは比べ物にならない。
だが恥ずかしい分、感じやすさも比例して高くなる。
撫でる程度にしか触っていないのに、先程よりも硬く乳首はしこり立った。
「どうした? もっと強くつままれる方がお前は好きだろう」
からかうようにオルバンが笑う。
「歯を立てて少し噛んでやると、いつも悦ぶじゃないか」
その言葉に、実際に彼に歯を立てて噛まれた時の感触が乳首に蘇った。
「あッ」
ぴくんと胸を逸らし、官能的な声を上げればオルバンは一層楽しそうに笑う。
「ほら、どうした? 胸で満足するお前じゃないだろう」
空いたもう片方のティスの手を、彼は掴んで開かれた足の間にやった。
とろとろと涙のような先走りを滴らせる性器へと、震える指先を触れさせる。
「あっ、ああっ……」
「好きなだけ扱いてみろ」
「ん、あッ……」
脈打ち、今にも達しそうに震えている性器に指を絡める。
言われるままに緩く扱けば、にちゃにちゃという卑猥な音がした。
「あ、あ、あっ…………」
オルバンは風の糸など使用しているわけではない。
けれど彼の望むまま、ティスは淫らな行為を続ける。
「気持ちいいか?」
ささやかれれば、うなずかざるを得ない。
「ん、んっ…………、は、はぃ……」
「乳首もここも、充血して真っ赤だな」
金の瞳がゆっくりと動き、視線だけが紅潮した肌を過ぎていく。
自分で欲望を遂げようとしている、恥ずかしい姿を彼が見ている。
「あっ、んっ、みっ……、見ないでっ…………」
上ずった声でそう言いはするものの、体をいじる指先は激しくなるばかり。
見られて興奮しているとしか思えない反応に、オルバンは満足そうに喉を鳴らした。
「嘘をつくな、見られて燃えているくせに……さあ、自分が何をしているのか言ってみろ」
意地悪い口調で促がされ、乳首と性器が一層硬くなった。
「あっ……、そんな、の…………」
「言え。お前の左手は、何をしている?」
容赦なく追い詰められ、ティスは顔を赤らめながら小さな声で答えた。
「乳首っ……、を、さ、触って、ますっ…………」
「何でだ?」
「あっ……、オルバン様に、い、言われ、て…………」
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