炎色反応 第七章・61
人間も同族であるはずの魔法使いも、眼中にないといった態度を隠しもしないオルバン。
ついに口に出した「好き」の言葉を、ひとまとめに切り捨てられてはティスも黙り込むしかない。
けれどオルバンの言葉はまだ続いている。
「お前は馬鹿で無能で何の力も持っていないただの人間のガキだが、一つだけ秀でているところがある」
金の瞳に吸い込まれたようにじっと彼を見つめるティスに、オルバンはかすかに笑んで言った。
「ティス。お前には、オレの側にいられる才能があるようだ」
唇がゆっくりと重ねられる。
一度触れ、すぐに離れたオルバンは唇の表面を軽く触れ合わせたままこう言った。
「入れて欲しいのか?」
ぼやけて見えるほどに間近にある整った顔を見つめ、ティスはうなずく。
「…………はい…………」
「オレのを?」
「はい……オルバン様のが、欲しいんです……」
我知らず唇を舐め、ティスはこくこくと首を縦に振った。
もうこれ以上焦らされたくなくて、促がされる前に両手を尻肉の奥へと回す。
「んっ…………、入れてっ…………オルバン様、ここに、ここに入れて下さいっ……」
濡れた縁を引っ張り、赤い中をさらしてティスは訴えた。
「オレの、いやらしい穴を犯して下さい…………うずくんですっ……オルバン様が欲しくて、欲しくてうずくんですっ…………」
森の中とはいえ、真昼の光が頭上から降り注ぐ時間だ。
全身で男を欲しがる浅ましい姿を光の中にさらけ出し、ティスは主人の情けを乞うた。
くく、とオルバンは喉を鳴らす。
「ああ、それでこそお前だな、ティス」
どこか少年めいた、爽やかと形容して良さそうな笑顔を見せたオルバンはすぐにいつもの不敵な笑みを浮かべて言う。
「くれてやる」
足を抱え直され、尻が完全に地面から浮く。
白い指先が添えられた濡れた穴へと亀頭が触れた。
「あっ…………、あああああ!」
ずぐっ、と卑猥な音を立て、長く太い肉棒がティスの中にねじ込まれる。
「あっ………………、あ、ぁ…………」
それだけで一気に達してしまった。
扱き立てられ、先走りを漏らしていた彼の性器の先から白濁があふれ出す。
「おいおい、まだ入れただけだぞ?」
呆れたように笑うオルバンだが、それで行為を中断するような男ではない。
「ふあっ…………、アッ、アーッ…………!」
始まった激しい抜き差しに悲鳴を上げながらも、ティスは途方もない悦びに包まれていた。
「あ……ふ、くぅ、んっ…………、すごい、すごいっ…………」
オルバンのものが一番奥まで届くたび、小さな絶頂が生じ抱えられたつま先がそり返る。
柔らかな肉壁をこすり立てられ、彼の形に中が広がるのが嬉しくてたまらない。
「今、お前はどうされてるんだ?」
膝立ちの状態になり、正面からがくがくとティスを揺さぶりながらオルバンが言って来た。
犯される快楽に打ち震えながら、恍惚状態でティスは己の置かれた状況を語る。
「ンッ…………、オルバンさまの、でぇ…………突かれて、こすられてっ…………気持ち、いい、です……っ……」
「そうだな。こんな昼間から、誰が来るか分からないようなところでお前は尻を犯されて悦んでいるんだ」
改めて言われると余計に感じてしまう。
ますますきつくオルバンを締め付けながら、ティスは夢中で彼の言葉を復唱した。
「そ、です……昼間、から…………っ、誰、見てるか、分からなっ……、あ、ぁ、ん……!」
一際大きな絶頂感がティスを高みに持ち上げた。
あふれ出した精液が、自分自身の腹と胸を汚して飛び散る。
一部は唇の辺りにまで飛んで来たものを舐め取り、熱く潤んだ瞳でつぶやいた。
「あぅっ…………、んっ……、もっとぉ…………」
「まだ満足出来ないか」
底なしに快楽を求める言葉に、オルバンの瞳も底光りを始める。
「いいぜ、狂うまで犯してやる」
ティスの片足だけを肩に担いだ体位に変更すると、すでにどろどろの結合点を彼は突きまくった。
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