ハンター・ハンティング・5
「は………んっ、あ、やぁ、ラヴェル……さんっ………」
恥ずかしいのか片手を目の上に上げて顔を覆いながら、セイは途切れ途切れにラヴェルを呼ぶ。
「初めてじゃない……わけでもなさそうだよな」
大胆さと羞恥が入り混じったような反応に、ラヴェルは瞳を細めて薄笑った。
「魔物に犯されるよりはいい思いをさせてやるよ」
うそぶくと、彼はベルトを緩めて取り出したものをセイの尻にあてがう。
独特のつるりとした丸みを押し付けられたセイは、一瞬だけ不安そうに彼を見上げた。
「力を抜いていろ」
一言命じ、ラヴェルはセイの細い腰を抱える。
「ああーっ……!」
背を弓形にしならせ、セイは大きな声を上げて男を飲み込んだ。
「きついな…」
「あ、あっ………は、入って来るっ……!」
顔をしかめながらも満足そうなラヴェルのつぶやきを聞きながら、セイはさすがに苦痛に顔を歪めている。
「ああんっ」
だがラヴェルが軽く腰を揺すると、弾力に富んだ若々しい肢体は素晴らしい締め付けで彼を喜ばせた。
「……悪くない」
ぺろりと唇を舐めたラヴェルの表情は、元が整っている分ぞっとするような艶を含んで見える。
媚薬に潤った狭い通路の中を、彼は容赦のない腰使いで征服し始めた。
「ふあっ……、ああ、ああっ、いい、いいっ!」
セイもまた、とろけきった表情で後頭部を岩にすり付けながらよがる。
繋がった部位は裂けそうな程広がってラヴェルの一物を飲み込んでいるが、圧倒的な快楽が痛みを感じさせない。
初めてとは思えぬ乱れ様に、思う存分その肉体を貪りながらラヴェルは笑った。
「思わぬ拾い物だな……ハンターなんて似合わない真似はやめちまえよ。これで食っていけるぞ、お前」
ぬるつく肉をかき分けて、太い物が執拗に敏感になった内部をこする。
開けた森の岩の上、薄汚い魔物の体液にまみれて犯されながら侮蔑されているのに、セイの乳首も性器も勃ち上がったままだ。
「あ、あう、んっ……、はぁ、あぁっ」
即効性の麻痺毒はそろそろ切れてきている。
そのため次第に痛覚は戻りつつあるのだが、遅効性の媚薬が尾を引いていた。
テンタクル・ボールは麻痺毒で動けなくした相手の中に卵を押し込み、その後は媚薬の効果でもって子が孵るまでの間卵を内部に保持させる。
異物を入れられた状態が気持ちいいと、そう思ってしまう状態にされているのだ。
まして今快楽の源になっているのは、長年のあこがれだったラヴェル。
薬に支配された心と体は非常に素直になっている。
セイが彼を見上げる瞳には熱っぽいものが宿り始めていた。
「あ、の、魔物…………倒しちゃったん、ですね…………」
「ん? ああ、まあな」
肉棒を出し入れする速度を変えずに事も無げにラヴェルが言えば、セイはうっとりと微笑んだ。
「やっぱり、すごい…………ラヴェルさ……、強くて、すごく、かっこいい……」
思い描いたままの、憧れの英雄では彼はなかった。
だが少なくともその強さだけは、紛れもなくセイが噂に聞いていたものそのもの、いやそれ以上。
こんな風になりたい、こんな風になれば誰にも馬鹿にされずに生きていける。
そう胸をときめかせていた憧れの人が今目の前にいる。
まだ半分夢の中にいるような状態のセイにとって、ラヴェルへのイメージは長く抱き続けていた理想像の方が強い。
もたらされる快楽も相まって、陶酔したように貫かれながら微笑むセイを見つめるラヴェルの唇からぽつりとこんな言葉が漏れた。
「…………かっこいい、な」
乾いた口調でつぶやいてから、彼は不意に苛立ったように動きを早めてきた。
「ひっ!? あ、あんっすごいっ……あ、あーっ…!」
がくがくと揺さぶられるかたわら、きつく乳首をひねられてセイは堪らずに絶頂を迎えた。
一拍遅れてラヴェルの男根もセイの中で弾ける。
「あ、あ…………何か……中、に…」
どろりとしたものが流し込まれるのを感じ、セイは小さな声で思わずうめく。
ラヴェルはしかし達したものを抜かず、間を置かず再び腰を動かし始めた。
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