俎上の子羊・5
「いたぁ、痛い、痛いぃ、いやっ、誰か、神様…………!」
「はは、神様だってよ」
せせら笑う部下の声を聞きながら、ブレイクは無言でもっとルシアンの足を持ち上げた。
「神様は助けてくれないぞ、修道士様」
自分勝手な動きで狭い内部を楽しみながら、彼もまたせせら笑う。
「盗賊に犯されてよがるような淫売は、お前らの神様は助けちゃくれないだろう」
「そうだそうだ、寄付をしない奴にもな」
「孤児にも」
「うつる病気にかかった奴らにも」
頭に合わせ、その部下たちが口々に言う言葉にはどこかしら自嘲の響きがあった。
昔神様は彼らを助けなかった。
だから神の下僕であるルシアンは、その咎を受けても当然だと彼らの冷たい瞳は言っていた。
「同じ神様から見捨てられた者同士、仲良くしよう。なあ?」
うそぶいたブレイクは、なおも執拗に腰を使い初めてのルシアンの中を攻め立てる。
こすられ続けて次第に痛みは麻痺し始めていたが、それでもやはり痛いものは痛い。
「嫌だ、やぁっ、神様お許しを……っ、あっ……!?」
ずんとまた、奥まで押し込まれたものがどこかをかすめた瞬間背筋に甘いものが走った。
「まだ神様神様か」
呆れたように言ったブレイクは、一定の調子でルシアンを貫きながらその屹立した性器を扱き始める。
「ああっ」
途端にルシアンの口から、紛れもなく甘い声が上がった。
「おっ、いい調子じゃないか、修道士ちゃん」
はやす部下の声に、別の部下の声が続く。
「いつまでも修道士ちゃんじゃ色気がねえな。ねえ頭」
「そうだな。おい、名前は?」
こんな状況で聞かれて答えたいわけがない。
しかし強情に答えないでいるルシアンの肩を、ブレイクが目配せすると左右にいた男がいきなり持ち上げてしまった。
「あ……っ!?」
下肢はブレイクが支えている。
この状態で肩から持ち上げられれば、ルシアンは背を弓形に逸らしながら完全に空中に浮いた状態だ。
「ひぁ、ああっ……!」
暴れても、縛られた足が虚しく空を掻くだけ。
不安定な体勢のせいか、ブレイクが自分を犯す律動がより直接的に感じられる。
その上前髪を引っ張られ、思いきり頭を後ろに逸らされた。
逆さまになった視界の中に、醜悪な肉棒が見える。
最初に名前について言った男が自分のものを握り、ルシアンに突き付けて来た。
「答えないならしゃぶらせるぞ、おら」
口元に汚いものを押し付けられ、ルシアンは無我夢中で名乗った。
「ルシアン!」
「よく言えたな、ご褒美だ」
にやっと笑った男がルシアンの鼻をつまむ。
反射的に開いてしまった口の中に、その汚いものが押し込まれた。
「んふぅ! んん、んぅ」
手もなく引っ掛かってしまった様を見て、盗賊たちがやんやとはやす。
「んぁ、んむ、ん、んんっ」
喉の奥を突く肉棒は、小さなルシアンの口を一杯にしてしまった。
「歯なんか立てんじゃねえぞ」
言われなくてもそれどころではない。
「んん、んっ、ん、うん……!」
上下の口をふさがれた状態で、ルシアンは盗賊たちに視姦されながら揺すぶられ続けた。
「んん、んあ、んっ、んふぅ……っ……」
無理な姿勢の苦しさにうめいたのも、だが最初の内だけだ。
股間でそそり立ったその性器からは、やがてブレイクが一突きするたびにこぷりと音を立て先走りがあふれ出していく。
野蛮な男に繰り返し陵辱された内部は、いつしかひくつきながら彼を包み込んでいた。
苦しさに歪んでいた表情には熱っぽいものが漂っている。
「どうだ? ルシアン」
いつしかぴったりと自分の大きさに広がった内部を絶え間なく突きながら、ブレイクは聞いたばかりの名前を呼ぶ。
「ここが濡れて、女みたいに涎垂らして悦んでるぞ。なあ」
「全く、目の毒ですよ」
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