Don't Leave me ・11



言いながら、ジラルドはアシェンを抱いた状態で完全にベッドに乗り上がってきた。
二人分の体重にぎしぎしとベッドが軋む。
あぐらをかいたその膝の上にアシェンは座り込んだ格好になった。
「ジラルドさん……? あ、やっ…!」
ジラルドの手が、背後からいきなり上着の中に入って来た。
後ろへの刺激ですでに硬くなっていた乳首を捕らえられてしまう。
びっくりしたアシェンは夢中で叫んだ。
「やっ、やだジラルドさん、やめてだめ……ッ」
どれだけ身をよじっても、ジラルドの腕による檻はびくともしない。
人差し指と親指に挟まれた乳首をひねられると、そこに何とも言えないうずきが生じた。
「……あっ……!」
熱い。
ジラルドの指にいじられていた内部がじんじんして来る。
「ジラルドさん、僕、僕やだっ、やだよぉ、変っ……!」
必死になってアシェンが暴れても、やはりジラルドに行為を止める気はなさそうだ。
つまみ上げるように何度もぐりぐりといじられるたび、乳首が硬くなっていくのが自分で分かる。
「あ、あっ……やぁっ…………ジラルドさん、やめて……!」
彼の腕にすがり、泣きそうになりながら言うアシェンの耳元にジラルドの声が響く。
「体が熱いだろう?」
見透かされている。
かっと赤らんだすべらかな頬に、ジラルドは白皙の美貌を寄せた。
「恥ずかしがらなくていい……処理をするだけだ」
「処理……」
そんな風に言われると、アシェンは返す言葉に詰まってしまう。
「それに、魔物に犯された記憶をずっと持っているのは嫌だろう……?」
言われて、アシェンの脳裏にあの時の記憶が蘇った。
背筋に戦慄が走り、アシェンはぶるっと大きく全身を震わせる。
怖くて恥ずかしかった。
でも最後に……そこまで思い出して、アシェンはたまらずぶんぶんと首を振った。
「や…………やめて、もう思い出したくない……!」
「そうだろうな」
あくまで優しく、ジラルドはアシェンの言葉にうなずいてくれる。
しかしと彼は続けて来た。
「お前の体はすでに快楽を覚えてしまっている。魔の与える快楽に、普通の人間が逆らい通すのは難しい」
このままではお前は、永遠に自分を犯した魔物の影に付きまとわれることになる。
絶望的な台詞を耳元でささやかれれば、アシェンはふるふると震えるしかなかった。
「だから、オレがお前の体を清めてやる」
三つ目の赤い瞳をらんらんと光らせながら、魔を操る男は甘い声で言った。
「薬の効果が切れるまでオレが抱いてやる。お前は力を抜いて、じっとしていればいい」
魅力的な提案だと言えるのかもしれない。
けれどやはり、アシェンは判断に迷った。
確かにこの状況ではジラルドが言う通りにするのがいいのかもしれない。
けれど、媚薬に浸された体のうずきを彼に処理してもらうなんて。
「そんなこと、僕……っ、あぁっ……」
皆まで言わせず、またジラルドの指が動き始める。
指の腹で押しつぶすようにいじくられると、どうしようもなく感じてしまう。
喉を仰け反らせ、アシェンはしばし集中的に胸を攻められ淫らに鳴かされた。
「あ、ぁ、んっ……ジラルドぉ……」
いくら薬のせいだとしてもだ。
まだ子供子供しているとはいえアシェンも男である。
そこに触れられ、転がされて声を抑えられない自分が恥ずかしくて堪らない。
「ああ、もう、もう、僕っ、ぼく……!」
しどけなく開かれた足がさかんに敷布を蹴る。
震えながら弱々しくあえぐ、悩ましい姿をたっぷりと見られた後のことだった。
「あ、……あっ、……そこは……!」
うっすらと汗を浮かべた胸を滑り、ジラルドの指がいきなりアシェンの性器を握り込む。
胸をなぶられすでに硬くなっているそれを、大きな手がゆっくりと上下に扱き始めた。


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