Don't Leave me ・13
「いいな?」
形だけ確認を取るように言った後、爪先が注意深く狭い入り口を押し広げる。
「あっ、ジラルドさっ……、ああっ」
あせったように声を上げても遅い。
愛撫に一度蕩けた体は簡単に侵入を許してしまった。
第一関節まで潜った指が、くいくいと中を引っかく。
「あんッ」
切ないうずきが蘇ってくる。
また震え始めたアシェンのあごを取り、仰向かせるとジラルドは再び口付けてきた。
「……んー…、ん、んぅ」
舌を含まされ、口腔を執拗に舐め回された。
激しい口付けを仕掛けながら、その指は浅い位置でアシェンの中をなぶる。
「んっ、ん……」
いつしか物足りなさを覚え始めたのを読み取ったように、ジラルドは不意に深く指を進めて来た。
「ひっ」
短く息を飲むアシェンの唇を解放したジラルドは、あごにかけていた手をまた胸元に回してきた。
今度は服の上から、とがった乳首を撫で転がす。
「はっ、ああっ」
布と彼の指で擦られて、乳首にもどかしい刺激が走った。
一方中に埋められた指は、くちゅくちゅと音を立てながら狭い通路を犯している。
「ああっ……!」
少年が放ったものに濡れた指先は、それを潤滑剤にしてアシェンの中を自在に動き回った。
「熱いな…」
ささやくジラルドの声も、指も、とても熱い。
「あぁ……、ジラルド、さん、僕……僕、こんなのっ…」
後ろ手に彼にすがりながら、アシェンはうわごとのようにつぶやいた。
「もう、しちゃっ……、あっ……!」
ジラルドの指が二本に増える。
揃えた指先でかき回されると、いっそう恥ずかしい水音が上がった。
「ひっ……! やっ、あ…! 恥ずかしい、よぉ……」
両手を懸命に伸ばし、乳首と尻の穴をいじくる彼の手を止めようとしてみる。
だが快感に震える手をその手に添えるのがやっとで、何の制止にもならなかった。
「やらしい音、してっ……ジラルドさん、僕、変にっ…、あっ、あっ……!」
半開きの唇から忙しなくあえぎが漏れる。
幼い顔を紅潮させ、身悶えるアシェンの痴態を三つの赤い目がじっと見つめていた。
その内ジラルドの指は、狙いすましたようにある一点だけを突き始めた。
あの魔物に集中的になぶられ、さっきも媚薬をかき出す際に触れられた場所。
「あっ、だめ、そこ、そこばっかりっ……!」
二本の指でぐりぐりと擦られると、感じすぎておかしくなりそうなぐらいだ。
「そこっ……そこは、だめ……僕、そこ嫌ッ、ジラルドさんやめて……!」
強すぎる快感が怖くなり、叫んだ瞬間指が引き抜かれた。
突然放り出されたような気分になり、逆に驚いてしまったアシェンを抱えたままジラルドはぐっと前に身を乗り出す。
彼に押され、アシェンはベッドの上になしくずしに四つん這いになる。
その上にジラルドは、同じく獣の姿勢で乗りかかってきた。
「……ジラルドさん…?」
こわごわと振り向くと、片手を突いて自分を支えているジラルドはもう片手で自分の服の腰の辺りに触れている。
帯を外したらしい衣擦れの音に続き、アシェンの尻に隙間に何かが押し当てられた。
「あっ……!?」
硬くて熱い、ぬるぬるしたもの。
かすかに息を乱したジラルドが、それを握ってアシェンのひくつく穴に擦りつけて来る。
「分かるか……?」
首筋辺りにそんな言葉がささやかれた。
アシェンのうなじが真っ赤に染まる。
彼のしぐさと感触で、尻に当たっているものが何かは見なくても分かった。
「お前が本当に嫌なら、これ以上はしない」
そう言いながらもジラルドは、物足りなさを訴えるアシェンのそこに肉棒の先端を擦り付けることをやめない。
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