Don't Leave me 第三章・3



ため息混じりの、艶っぽいジラルドの声。
何やら感動しているようですらある彼の賞賛の言葉に応えるように、アシェンは恐る恐る舌先を握ったものの先に触れさせた。
「んっ……」
独特の生臭いような、しょっぱいような味に一瞬顔をしかめてしまう。
でも、そんなに嫌じゃない。
だってこれは、大好きなジラルドのものなのだから。
「……ん、むっ…………」
大きく口を開け、思いきって先端部分を口腔に包み込んだ。
ますます大きくなったものが喉を突き、むせそうになる。
思わず一度口から出してしまったが、次の瞬間もう一度口を開けもっと奥まで受け入れた。
後はただ、ジラルドがしてくれたことを思い出し無心にぺろぺろと舐めしゃぶる。
「ああ、とても上手だ、アシェン……」
快楽にかすれたジラルドの声が、背後から聞こえて来る。
彼が感じてくれていることが嬉しくて、アシェンは懸命に奉仕を続けた。
元々商売人の子として愛想良く、人には親切にするようにと育てられて来た少年である。
恩人であり、更に秘めた想い人でもあるジラルドに喜んでもらいたいという気持ちは強い。
「ふぅ……、ん、んっ…………」
まだまだ拙い舌使いながら、熱心さがそれを補って余りある。
鼻で息をしながら、小さな尻を震わせて口淫を行うアシェンにジラルドは期待以上の満足を得ているようだった。
一本だけ埋めた指先で内部をやわやわと掻きながら、優雅に寝そべった彼はもう片方の手で優しくアシェンの太腿を撫でている。
心のこもった奉仕に時折その手はぴくりと震え、白い太腿にうっすらと指先の跡を残した。
「くっ…………初めてとは、思えないぐらいだな………そんなにそれが欲しいのか……?」
美しい顔に喜悦をにじませ、艶っぽい声で問うジラルドにアシェンは肉棒をしゃぶりながら言った。
「んむっ……、だっ……、僕、んっ、迷惑、かけてる、からっ……」
人外の存在としての能力と、人目を引く美貌を兼ね備えたジラルドと比べればアシェンなど本当に平々凡々としたただの人間の子供だ。
救ってもらった恩もまだ返せないまま、こうして迷惑をかけ続けていることを心から済まなく思っている。
「……んぅ、僕も、んんっ、ジラルドさんに、気持ち良く、なって、欲しいって……、ん、んっ、思って、たから……」
それきり言葉を切ったアシェンは、瞳を閉じて口の中の男根に奉仕を続けた。
幼い顔を紅潮させ、いっぱいに開いた口に怒張を頬張る姿はかなり刺激的だ。
だがそれを受けるジラルドの顔には、何かひどく重苦しいものが漂い始めている。
「………………すまない」
唇だけでつぶやくと、彼は長い指先をアシェンの薄い尻肉にかける。
「…………ンッ、ジラルドさん……?」
何事かと振り返ったアシェンの、すでにとろとろに濡れた性器をジラルドの指が包む。
巧みな指使いで上から下へと握り込まれると、アシェンの息は簡単に上がった。
「あ、ん、んっ……だっ、だめ、僕、僕がジラルドさん気持ち良くしてるんだから……ッ」
焦った声を上げ、アシェンは慌ててもう一度ジラルドのものを口に含む。
このままではまた、自分だけ達してしまうと思ったからだ。
だがアシェンが舌を動かし始めた矢先、ジラルドは割り開いた尻肉の狭間に顔を寄せて来た。
ちゅっ、と音を立て、唇にするようにひくつく穴に口付けをされる。
「……ん、やっ、そんなとこにっ……」
男のものの先を舐めながらアシェンが言うのに構わず、ジラルドは濡れた舌を内部へと突き入れてきた。
ぬるぬるとした肉塊が内部を舐めずる、卑猥な音が静かな室内に響く。
「あっ……、やっ、んんっ…………!」
両手で握り締めたものを噛んでしまいそうになり、アシェンはいったんそれを口から離した。
「あ、あ、んっ…………、舌、入れなっ…………、んっ……」
ジラルドの肉棒にすがったような状態で、彼の上に伏せてしまったアシェンの中で舌は蠢き続ける。
少年のものを握った指先がその先端の穴にかかった。
「ひぁ、あ、そこぉっ…………、あぅ、ジラルドぉ……」
鈴口をぐりぐりといじられる快楽に、アシェンはたまらず腰をくねらせた。
このままではまた、自分だけ気持ち良くなってしまう。


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