Don't Leave me 第三章・17
「……! あ……!」
感じやすい性器の先を、ぬるりとした感触が包み込む。
一度ねっとりと先端部分を舐め上げてから、ジラルドは口を覆い喉を仰け反らせたアシェンにこう言った。
「声を殺さなくてもいい、アシェン……お前の可愛い声は、オレにしか聞こえない…………」
甘い声でつぶやき、彼は再び少年のものを口にする。
いつの間にか牙の見当たらなくなったその唇と舌は情熱的なしぐさで蠢き、すぐさまアシェンの性感を高めていった。
「あ、ああっ…………、ん、ぁッ、ジラルドさん……、ジラルドさんっ…………」
とがり切った乳首を震わせ、アシェンは何度も彼を呼ぶ。
唾液と先走りを舌先でかき混ぜ、塗り込めるように幹を辿られるとあまりの快感に言葉が出ない。
「んッ…………、ふ、ぁ…………ああっ……!」
根元のふくらみを揉まれながら先を吸われると、絶頂はすぐにやって来た。
びくびくっと体を震わせ、彼が放った精液をジラルドはていねいに舐め取ってしまう。
「ん……」
恥ずかしくて顔を逸らすアシェンの足を開かせ、ジラルドはその腰を軽く持ち上げた。
乱暴な抜き差しからさほど時間が経っておらず、赤らんでひくつく穴にそっと自分のものを押し当てる。
「…………優しくするから、いいか?」
かすかなアシェンの怯えを読み取り、彼は入れる寸前にそう言った。
「……はい、お願い、します…………」
恥ずかしそうにつぶやいたアシェンの入り口を押し広げ、ジラルドはゆっくりと中に入って来た。
「ぁ、んっ…………」
少し目線を下げれば、ゆるゆると侵入してくる彼のものが目に映る。
顔を赤らめ横を向いたアシェンの上に覆い被さり、ジラルドはその頬に軽い口付けを落とした。
そして更に腰を持ち上げ、深く、肉棒を進める。
「ンッ…………!」
狭い通路をいっぱいに満たした男根に、アシェンは息を詰めた。
「辛いか……?」
少し苦しそうな声にジラルドが、気遣いの言葉をかけてくれる。
見上げた赤い瞳が不安そうに見えて、アシェンは今後は自分が彼を力付けるように微笑んだ。
「大丈夫…………、して、ジラルドさん……いつもみたいに、して……」
頼もしさと甘えの混じった心地良い言葉を聞いて、アシェンの中のジラルドのものは力を増した。
ぐぐっと硬くなったそれが粘着質な音を立てて動き出したのを感じ、アシェンはたちまち声を上げ始める。
「あっ、ああ、はぁっ…………、ジラルド、さ、すごっ……!」
一突きされるたび、繋がった部分からとろりと半透明の液が滴った。
いまだアシェンの中を潤しているスライムの体液が溢れ、卑猥な音が二人の熱をますます高めていく。
「あん、あッ………いいっ、よぉ……気持ちい…………好きッ、ジラルドさ、……のっ、好きぃ……!」
熱に浮かされて口走った「好き」を、どうにかごまかすので精一杯。
アシェンの心と体は愛しい男のものでいっぱいになり、最早声を殺す余裕はなくなった。
時々とても意地悪で、不安にさせられる時もあるけれど、やっぱりジラルドの腕は優しくて暖かい。
バベルなどとは彼は違う。
ジラルドに乱され、よがり、果てるのは…………想いに気付いてしまった今、少しだけ悲しい部分もあるけれど今更抜け出せない快楽だ。
「もっと、もっとぉ…………、……好きッ、そこ好き、して、もっとしてっ……!」
肉棒に擦り上げられる摩擦熱で中が溶けてしまいそうだ。
夢中でジラルドにしがみ付き、アシェンはひたすらに彼を求め続けた。
「アシェン……っ、どうか、オレを信じていてくれ……」
その声に応えるよう、次第に腰の動きを早めていきながら、ジラルドは叫ぶように言った。
「お前だけは、オレが絶対に守る……! だから…………」
それ以上言うことを恐れるように、彼はただ力いっぱいアシェンを抱き締めた。
同時に一際太さを増した男根が、熱く締め付けてくる内部の奥目掛けて精を放つ。
「んぁっ……、あ、ぁーっ……!」
注がれる体液が二人の間にあったわずかな隙間さえ埋めていく。
背筋を震わせ、アシェンはジラルドの腕の中で同じく達した。
***
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