Don't Leave me 第四章・3
「あふ、ひゃあん……! はぁ、やっ、ああっ…………!」
舌で転がされ、形良い唇に甘く吸われて鳥肌立つような羞恥と快楽を感じた。
口で愛撫されていない方は親指と人差し指に挟まれ、こりこりと刺激される。
しばらく触れられていなかったせいもあり、声が抑えられない。
「やあ、あっ…………! あっ、やっ、まだっ……!」
胸元を愛撫しながら、ジラルドは空いた手をアシェンの下肢に滑らせて来た。
難なくベルトを外した指が、するりと下の服を下ろしてしまう。
むき出しにされた下半身の中心で、すでに頭をもたげている性器に長い指先が触れる。
きゅっと握り込まれた瞬間、まるで火傷でもしたような熱さを感じてアシェンは大きくあごを仰け反らせた。
「ひゃう……っ!」
両方の乳首を愛撫されながら、一番敏感な部分に直接触れられる。
ずっとお預けを食っていた身にはあまりにも強すぎる刺激だった。
「だめ、僕、だめ、で、出ちゃうよお…………」
半泣きになりながらアシェンは首を振るが、ジラルドはそれさえも愛しむように笑った。
「構わない。出してしまえ……」
「だめ、ジラルドさんの手、汚しちゃう……」
今更のような気もするが、やっぱり彼に悪い。
「なら…………」
そうつぶやいたジラルドの顔が、胸から離れていく。
と、いきなり性器の先に濡れたものが被せられたのを感じ、アシェンはびくんと全身を震わせた。
「ああっ!? あ、だめ、だめっ…………!」
ジラルドのきれいな銀髪の頭が、自分の下腹に伏せられている。
その唇が硬く屹立した自分の性器をくわえていることを悟り、アシェンは悲鳴を上げた。
しかしそれも束の間、少年の唇から漏れるのはたちまちかすれたあえぎに変わってしまう。
「……はっ、あ…………あん……、だ、だめ、もう、出ちゃう…………」
巧みな舌に幹をしゃぶられ、先の穴をくじられれば抵抗する力も出て来ない。
その上ジラルドは、愛撫に弛緩したアシェンの両足を大きく広げさせた。
そしてあふれる先走りをすくい取った指先を、ゆっくりとアシェンの奥に差し込んできた。
「ふあ……っ! あっ、ああああ……!」
「きついな……」
思わずジラルドがつぶやいた通り、そこはまるで初めてのように彼の指を締め付けた。
けれどすでにアシェンの体は、男を受け入れる快楽を知っている。
「あああ、んんっ…………!」
一番きつい入り口の締め付けを突破した指先は、何とか根本まで入り込んだ。
「痛くはなさそうだな……動かすぞ」
注意深くアシェンの様子を見ていたジラルドだが、痛みまで感じているわけではないと分かったのだろう。
差し込んだ指先で、内壁を引っ掻くような動作を始めた。
「ふあ! あっ、あっあっ…………!」
圧迫感と異物感と、何よりの快楽が狭い穴に埋められた指先から伝わってくる。
元々一番敏感な部分と、繰り返し男を受け入れ慣らされた部分。
二箇所を一度に愛撫されては、我慢が保つはずがなかった。
「あっ、あ…………! あーっ……!」
敷布をぎゅっと掴み、アシェンは呆気なく絶頂を迎えた。
「ひ、あ…………ああ、ごめんなさい…………」
快楽の余韻に震える声で、彼は小さく謝罪する。
溜め込まれた精をジラルドの口内に向けて放出してしまった恥ずかしさに、顔どころか全身が真っ赤だ。
けれど当のジラルドは、まだアシェンのものから口を離そうとしない。
少年が吐き出した精液を飲み干した後も、彼の出したそれに濡れた舌をぴちゃぴちゃと鳴らしながら同じような愛撫を続けている。
「ジラルド、さ……? あ、あの……離して…………」
解放されたはずの熱が、ジラルドの愛撫によりまた一箇所に集中していく。
不安そうな声を出したアシェンだが、ジラルドは彼の奥にもう一本指を差し込むことで応じた。
「アッ…………!? んっ、や、やだまたあ…………!」
絶頂を迎えて間もない体が、再びうねる波に飲み込まれていく。
「本当に感じやすいな、アシェンは……」
アシェンのものをくわえたまま、ジラルドは含み笑いをしてつぶやいた。
「ふは、あ…………、そ、そんなとこで、しゃべらないで……っ」
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