Don't Leave me 第四章・10
いつもよりもはるかに呆気なく、少年は絶頂を極めてしまった。
だが達した余韻に浸ろうにも、小さな尻を犯す動きは休みなく続いている。
「あ…………っ、あぁ……っ」
びくんびくんと波打つように震える体にのしかかったまま、ジラルドはアシェンを犯し続ける。
絶頂による締め付けすらものともしない。
男を食い締めようとするその動きにさえ逆らって貫かれる、暴力的な行為にアシェンの体はぐずぐずに蕩けていく。
「ああ、あ………っ、や…………っ、また、また来る…………ッ」
敷布に爪を立て、二度目の絶頂を迎えたアシェンの太股を彼の精が伝い落ちた。
一度目からの間隔が短いために、射精にも勢いがない。
放つというよりゆっくりとあふれ出したという感じだ。
しかし今なおアシェンの中で動くジラルドは、まだ一度目の精さえ放ってはいない。
「……ああ、あ…………ジラルド……っ、さ……も、もう、やめてえ…………」
切れ切れに訴えるアシェンの腕はついに崩れ、がっくりと前方につんのめったような格好になった。
尻だけをジラルドに抱え上げられた状態で更に犯される。
かすれ声の訴えを彼が聞く様子はなく、まだがちがちに硬いものが中を突く音だけが二人きりの室内に繰り返し響いていた。
「はあ、あ…………」
もう敷布を握り締めることさえ出来ない。
ぼんやりと開いた瞳から細い涙を流しながら、アシェンは打ち付けられる彼の欲望を感じていた。
「あは、あぁ、あっ、あっ、また………ッ」
三度目の絶頂の波が来たことを感じ、アシェンはぎゅっと目を閉じた。
だが今後は、ジラルドのものも大きく厚みを増していくのが分かる。
「あっ、ア、アーッ………!」
ずぶりと深く、粘着質な音を立てて根本まで埋められた。
限界にまでふくらんだジラルドのものがついに弾け、アシェンの中に熱い奔流を解き放つ。
「あああ、あ……っ、あっ…………、熱い……よお…………」
えぐられ、擦られ、じんじんとうずく内部に注がれていく白濁。
いつもより一際太く感じられる男根からあふれる精は、量も普段より多いようだった。
「はぁ、あ…………ま、まだ、まだ出てるぅ………お尻、中………どろどろになっちゃうよお……」
太いものに広げられ、いっぱいになったはずの穴には到底飲み込みきれないような量だ。
すぐに限界に達したそれは、ジラルドの性器を伝い外へと流れ出す。
結合部から泡だった精液がしたたり落ちるのを感じ、卑猥な光景を予想してアシェンは羞恥にぶるっと震えた。
「…………あ……」
延々と中出しを続けた後、ジラルドは無言で自分のものを引き抜く。
しかし三度も達するほどに中をえぐられたせいだろう。
アシェンの穴は彼のものを引き抜かれてもなお、ぽかりと口を開けていた。
「……やっ……」
ひくつく赤い内部の肉に、出されたばかりの白濁が絡み付きひくひくと震えているところまでよく見える。
恥ずかしさに尻を下ろそうとしたのに、ただでさえうまく動かない体をジラルドの手に止められてしまった。
「………………オレの種で、いっぱいだ」
ささやかれた言葉に頬が紅潮する。
今日ここに来てから初めて、彼の口から発されたのがそんな言葉だなんて。
「や、やぁ、見ちゃ…………っ、ああ、だめえ……!」
嫌がって暴れるアシェンの中に、ジラルドは指を埋めてきた。
まだ熱を残した精液をかき混ぜるように、二本の指でこね回されるとそのたびにちゃにちゃという音が上がる。
「あっ、あああ………、しないで、しちゃだめ、あっあっ……!」
指に触れる卑猥な感触を楽しむように、ジラルドはその行為を続ける。
散々犯された内部を覗き見されながら指で蹂躙される恥ずかしさと気持ちよさに、アシェンは声を詰まらせた。
「ジラルドさん、今日、今日変だ…………っ、あ、ああん、ぐちゃぐちゃ言わせないで、あっ、ああああーっ……!」
「アシェン………」
掲げた尻をぷるぷると震わせ、またイきそうになっているアシェンを見下ろすジラルドの瞳はほの暗い光を帯びていた。
その口の端は何度か一瞬つり上がり、そのたびに唾液の糸を引く牙が覗く。
衝動のまま、再びアシェンの中に身を沈めようとした彼はすんでで思い直したようだった。
精液に満ちた内部をかき回され、はしたない音を立ててよがっている少年を攻めながら片手で己のものを掴む。
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