付ける薬もないぐらい・3
物凄い大声に顔をしかめ、クルーガーはだから、と繰り返した。
「お前の体がどうなっているのかも確かめる必要があるだろう! 見ないと分からないんだ、脱げ!」
「や、やだ、師匠、やだ師匠の馬鹿変態!」
胸を抱えて思わず叫んだルーンに、クルーガーは山賊もかくやとばかりの形相で怒鳴った。
「いい加減にしろよこのクソガキが! 誰がお前の裸なんか見たいか、いいからさっさと脱げ!」
言うが早いかクルーガーは強引にルーンを引き寄せ、上着をむしり取ってしまった。
「あ、わ、わわわわ!」
慌てて胸を隠そうとしたルーンだが、素肌に直接触れる柔らかな感触にその顔が見る間に赤らむ。
女性に対する免疫のない彼にとって、一応自分の体とはいえ直に見たり触ったりすると恥ずかしくてたまらない。
そのため余計に混乱に拍車がかかっている状態なわけだが、クルーガーは容赦がない。
硬直したルーンの足首を引っ掴み、ズボンもはぎ取ってしまった。
「い、いや、いやいや!」
「嫌もへったくれもないッ、いいから寝ろ!」
問答無用でベッドの上に押さえ込まれたルーンは、体を隠すことも許されないまま怯えた目で師を見上げる。
対照的に冷静な表情になったクルーガーは、観察者のまなざしでその体を上から下へと眺め回していった。
「…………なるほど」
何がなるほどなのか分からないのだが、薬師の瞳は何かを知り得たようだ。
恥ずかしくてたまらず、顔を赤らめたまま横を向いているルーンが震えるに合わせかすかに横に流れた大きな胸がぷるぷると震えていた。
淡紅色の乳首は、羞恥と緊張に芯を持ち始めている。
それを素っ気ない瞳で見たクルーガーの指が、ゆっくりと胸に触れてきた。
「ッ師匠!?」
びくっと震え、声を上げたルーンにクルーガーは淡々と言う。
「感覚はあるか。妙なできもの、というわけじゃなさそうだ」
大きな手が、その手に余るほどのふくらみをやわやわと揉みしだく。
事務的な動きではあるが、指の狭間に乳首を捕らえた状態で全体を揉まれると切ないうずきがそこから生まれた。
「…………んっ……」
わずかに声を漏らしたルーンに、彼はまた冷静な声で言った。
「しかし、でかい胸だな」
クルーガーの言う通り、彼が掴んだ柔らかな肉は細いルーンの体から零れ落ちそうなほど分量がある。
まだ幼い顔立ちや華奢な腰周りとは不釣合いなほどの、それゆえに妙に扇情的な体付きだ。
「し、しょ…………そん、言わな…………」
恥ずかしさに身悶えるルーンの胸から、クルーガーは無言で手を離す。
一瞬物足りなさを覚えたのも束の間、彼の手はルーンの汗ばんだ太腿に触れて来た。
「師匠!?」
驚くルーンの片足を持ち上げようとするクルーガーの動きに、ルーンは身を起こそうとした。
だがクルーガーは、冷たい声で一言こう言う。
「こっちもどうなっているのか、見ないと分からないだろう。これ以上余計な手間をかけさせるな」
「そっ…………、そこ、は……」
言葉で説明しかけて、ルーンは黙り込んでしまう。
説明するために想像したら恥ずかしくなってしまったのだ。
おとなしくなったルーンの足を、クルーガーがぐいと持ち上げる。
「…………あっ……!」
内股に流れ込んだ空気が、濡れた皮膚を撫でていく。
先を濡らした男性器に加え、すでに愛液を垂らしている淫らな裂け目がクルーガーの視線にさらされた。
「……………………なるほど」
しばしの沈黙の後、クルーガーが低くつぶやく。
死にそうな羞恥に耐えているルーンは、目を閉じ顔を逸らしたままだ。
だが、師の指先が二つの性器にそっと触れてきた時には声を上げられずにはいられなかった。
「やっ…………やめて、やめて! 大丈夫、大丈夫だからオレ、あっ……!」
「これ以上大丈夫じゃないことがあるか、馬鹿」
支離滅裂なルーンの叫びにそう吐き捨て、クルーガーの武骨でいて繊細な指先はまずはルーンの男性器に触れる。
先走りを零し、ほぼ完全に勃った状態のそれは彼が指の腹でさすってやるとびくびくと脈打った。
それにつれ、女性器からも一層蜜があふれる。
かすかに笑ったクルーガーは、まだぴったりと閉じた裂け目へとそろりと指先を伸ばした。
←2へ 4へ→
←topへ