付ける薬もないぐらい・5



他に解釈しようのない言葉にルーンの、ただでさえ空白部分の多い頭の中は真っ白になった。
硬直したその体を、クルーガーの指先はいやらしく這い回る。
濡れて蕩けた秘肉に二本目の指が突き入ってきた。
そしてその唇はふくよかな乳房の頂点、ぴんととがった乳首を含みきつく吸い立てる。
「あっ…………あッ、やぁ、師匠、師匠だめ……!」
今更のようにもがいても、クルーガーの大きな体は強くルーンを敷布に押さえ付けている。
命からがら逃げ帰った後からずっと続いている、体のほてりは師匠の愛撫に強くなる一方だ。
何もかもが未知のことで、怖くて仕方がない。
なのにクルーガーに与えられる感覚は全てに勝り、未熟なルーンの心を支配しようとしている。
それが余計に怖くて、懸命にクルーガーの腕を掴みながらルーンはこう叫んだ。
「ごっ、ごめんなさいっ、あっ、オレ、薬、力を入れてすれば早くすり終わると思ってぇ…!」
クルーガーは黙ったまま、裂け目に潜った指先をその上部にある陰核に触れさせた。
濡れた指先が、女の最も鋭敏な性感帯を撫でさする。
途端にルーンはびくびくと体を跳ねさせ、声もなくクルーガーにしがみついた。
指でいじめられ、ぽってりと充血した裂け目の奥と硬くなった男性器の先から淫らな体液が更に溢れ出してくる。
「あんっ、掃除、だってっ、薬草っ、てっ、か、枯れてるみたいに見えるの多くてっ、本もっ、ふっ、古いしっ、いらないのかと思ったんです…!」
大きな手で少し乱暴に胸を揉まれながら、ルーンは一生懸命言い訳を続ける。
「使いっ…………、道、分かってた、けどッ……近道、出来たら、もっと早く、帰れるかと、思って……!」
ふくらんだ陰核をつまみ上げられ、乳首にも同じ事をされて声がかすれた。
だけど何とかクルーガーを止めようと、ルーンは快楽に潤んだ瞳で謝る。
「わざとじゃないですッ、師匠、ごめんなさい、師匠…!」
「…………当たり前だ馬鹿。わざとだったらとっくの昔に向こうの山にでも捨てとるわ」
ルーンのけなげな訴えは、どうやら逆効果だったらしい。
低い声で吐き捨てたクルーガーは、ゆっくりと体を下にずらしていった。
震える足を掴んで開かせ、静脈の浮いた白い太腿に奇妙に優しく口付けをする。
そしてその顔は、先程まで散々指でいじっていたルーンの女の部分に伏せられた。
「ひゃあっ……!」
一瞬冷たいと感じ、次にすぐに熱いと感じた。
クルーガーの唇と舌が、すでにとろとろに蕩けた赤い割れ目に潜っていく。
「し、しょ…………嫌っ……、だめ、そんなとこぉ……」
濡れそぼった内部を舐められる、ぺちゃぺちゃという音が響き渡る。
「……舐めても舐めても、溢れてくる」
挙句にそんなことを言われて、ルーンは顔を真っ赤にして息を詰めた。
「はぅ…………、師匠……、やっ、もう、舐めるのはっ……やめ、あん……」
ひとしきり中を舐めしゃぶったクルーガーの舌は、今度はルーンの陰核を吸い上げ始める。
とても声をこらえられず、ルーンは上ずった悲鳴を上げた。
「あぁっ!? ししょっ、ししょぉ……っ、らめぇ、オレっ……」
淫靡な音と共に伝わる快感に、少女の性を併せ持った少年の体は痙攣するように震えた。
とどめのように、クルーガーはルーンの屹立した男性器にも触れる。
「あっ……!」
びくっと大きく身を震わせるのに構わず、上下に扱かれると性感は一気に限界直前まで駆け上がった。
「師匠、あっ、嫌っ、なんか……っ、変、あっ、ああああっっ!」
とがらせた舌先を、もう一度深く濡れた内部に差し入れられた瞬間だった。
一際大きな声を上げ、ルーンは絶頂に達した。
「ふぁっ……んっ、あっ、……出ちゃうよぉ……」
自分で自覚出来るぐらいに、彼の女性器から愛液が溢れ出してくる。
クルーガーはひくつく内部から顔を離し、そこから敷布を濡らして広がる淫らな液を蔑むように見つめていた。
「いやらしい奴だな。処女の癖に、舐められただけでこんなに漏らしてしまうか」
「やっ……、師匠、ご、ごめんなさ……」
恥ずかしくて情けなくて、泣きながらつぶやくルーンにクルーガーは更に言う。
「ふん、しかも、こっちはまだか?」


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