付ける薬もないぐらい・7



必死にクルーガーを突き放そうとするが、すでに奥まで彼を受け入れた状態だ。
おまけに腰を揺すられ始めると、たちまち叫ぶ声にはあえぎが混じってしまう。
「んっ……はぁっ、あっ、ああんっ、だめっ…………」
右手でルーンの腰を支えたクルーガーは、左手で大きな胸を揉みながらゆっくりと出入りを繰り返した。
痛みはなくてもかなりきつい通路を広げるように、深く突いては引く、を何度も続ける。
そのたびに上がる粘つく水音を聞いて、ルーンは悩ましく眉を寄せた。
「ししょ、ぉっ…………やっ……だ、め…………」
だめ、という声の語尾が甘くかすれてしまう。
クルーガーの指先にあまるほどの乳房の先でも、赤くなった乳首は硬くとがっている。
女性器からは今も淫らな液が溢れており、クルーガーが動くたびに卑猥な雫を垂らしていた。
男性器の方からも、先の穴から半透明の先走りが漏れ続けている。
「良さそうだな……」
つぶやくクルーガーの声も、初物の締め付けによる快感に少しかすれていた。
「ぐしょぐしょにして…………こういうことだけ、覚えのいい奴だ」
そう言うと彼は、腰を支えていた手を二人が繋がった部分に回す。
「ひっ…………!?」
クルーガーの性器に押し上げられた格好の陰核を、親指の腹でさすられる。
そしてそのまま、彼は腰の動きを早めた。
「ふあああっ!? あっ、やだっ、師匠、やっ、ぜんぶ…………ッ……!」
胸を揉まれ、男根を挿入され、乳首同様硬くなった肉芽をいじられる。
性感帯を一度に攻められ、ルーンは無我夢中でクルーガーにしがみ付いた。
「んあッ、やっ、やめてだめッ、師匠のっ、いやっ、オレ今女の子なんですだめ……!」
腰を打ち付けられるたび、体の奥を肉棒で小突かれる快楽に背筋が震える。
ぱっくりと開いた割れ目に飲み込んだクルーガーが、どんどん太く硬くなっていくのも同時に感じ取れてしまう。
「嫌です、やぁ、オレ赤ちゃんなんて無理です育てられないよぉ……!」
少々思考が先走っているルーンに苦笑すると、クルーガーはぐいっとその腰を抱え上げた。
小さな尻が持ち上げられ、結合部がより見えやすい体位になる。
犯されるルーンの側にも、今自分の身に起こっていることがよりはっきり分かるようになった。
「あっ……! やっ、師匠っ、やっ、師匠のなんでそんなに太いの…………!」
今までクルーガーの体を全く見たことがなかったわけではない。
けれど彼の性器を怒張した状態で見るのは初めてだったし、第一彼のそれが自分の中に挿入されているのだ。
幸か不幸か自分自身の男性器に邪魔され、全てが確認出来るわけではない。
けれど、濡れ光る赤黒い男根が白い尻に潜っては引き抜かれる様は見えてしまっている。
「師匠、許して、オ、オレみたいなのこれ以上増えたら困るの師匠ッ……、あ、あ、ああっ……!」
往生際の悪いルーンの両足を、クルーガーは両手で彼の胸を突くような体勢にまで折り曲げた。
自分を飲み込み、ぬちゅぬちゅと卑猥な音を立てているルーンの女性器に加え、その下でひくつく小さな穴までよく見える。
刺激的な光景に息を荒げながらクルーガーは更に深く、速い出し入れを繰り返していった。
「嫌でも何でも、お前は妊娠しないといけないんだよ……! さあ、孕め……!」
熱い声でつぶやくと、クルーガーはルーンの太腿の上に体重をかけて乗りかかる。
根元まで挿入されたその男根がぐぐっと体積を増し、ルーンはあッ、とあせった声を上げた。
「だめっ、オレ無理ぃっ、子供なんかまだだめですっ、あっ、あーっ…………!」
抗う声も虚しく、出来たばかりの潤った肉襞の中にクルーガーの精液が注がれていく。
全身を桜色に上気させたルーンは、奥に放たれた熱い体液に身を震わせながらしゃくり上げた。
「やぁっ、ンッ…………う、う、ひど……師匠の馬鹿ぁ…………」
恨み言を聞きながら、クルーガーはゆっくりと身を起こす。
一層ざんばらになった前髪をかき上げると、山賊まがいの精悍な顔立ちが露になった。
「……ふう」
射精後の倦怠感を吐き出すように、小さく吐いた声が妙に耳に残る。
情事の名残が漂うその顔は、ルーンがどじを踏んだ時の怒った顔でも小難しい書物片手のしかめ面でもない。


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