付ける薬もないぐらい・12
「……じゃあ、なんで……? 師匠、苦しそう…………」
戸惑いながらクルーガーを見つめたルーンは、ふと視線を下げた瞬間に気付いた。
先程自分の中を出入りした彼の男根が、再び天を仰いでいる。
「…………あれ?」
不思議そうな声を聞き、クルーガーはまたくそ、と小さく毒づいた。
「いいんだよ、オレは……ほら、続きだ、続き」
そう言いながらクルーガーは、緩めていた服の前を閉じ出しっ放しの性器を無理やりしまい込もうとする。
だがそこへ、ルーンはそっと手を伸ばした。
「ルーン……!?」
「だって、師匠の、びくびくして、辛そう……」
そう言うと、細い指先でそうっとクルーガーの肉棒の先を撫でる。
直接的な刺激にびくっとした師匠を見上げ、ルーンはえへへ、と笑った。
「男の人のだったら、オレもあるから、分かります……ね、ししょ、オレもしてあげる…………」
照れたように笑いながら、ルーンはやや手に余るような大きさのそれを握って扱き始める。
思わず情けないうめきを漏らしたクルーガーは、怒ったようにきつくルーンを抱き締めた。
「…………この馬鹿、そんな煽り方、どこで覚えた……!」
「あっ……!?」
クルーガーの歯が、ルーンの耳たぶを少し強めに噛んだ。
「んっ……、痛いっ、ししょお…………」
小さな悲鳴を上げながらも、ルーンはクルーガーの男根を一生懸命愛撫し続ける。
あまりうまくないのがかえって興奮剤となる手淫を受けながら、クルーガーもルーンの腫れ上がった陰核をつまんでこね回した。
その舌はルーンの耳の裏や首筋を舐め、もう片方の手で豊満な胸を乱暴に揉んでいる。
「ひっ、ひぁん! あっ、ししょっ、オレぇ、もうっ……」
びくびくと身を震わせ、ルーンはクルーガーに体を押し付け声を上ずらせる。
卵は多分、かなり下まで降りて来ている。
このままだと絶頂を迎えること自体はすぐだろう。
けれどまだ、ルーンの中には恐怖とためらいが残っていた。
火照った体を隅々までなぶられ、気持ち良くて仕方がないのにどこかで一線を越えられない。
「師匠、だめ、オレ、やっぱりだめ……!」
涙声で訴えながら、ルーンは握っているクルーガーのものにぎゅっと力を入れた。
少々力が入り過ぎてしまったらしい。
「いてっ! ……このッ」
ぎっとにらみ付けられ、ルーンは総毛立った。
先程まではものすごく優しかったが、基本的にクルーガーは短気なのだ。
その上自分が二重三重に怒らせてしまっていることぐらいは、ルーンにも分かっている。
「ごっ、ごめんなさい、ごめんなさい師匠っ……んっ、む……」
苛立ちをぶつけるような口付けに、一瞬強張った体の力はあっという間に抜けていく。
舌を吸われてぼうっとしているルーンを半眼で見つめながら、クルーガーはそれまで彼の女性器をいじっていた指をもっと奥に触れさせた。
「あっ、ししょ、また違うとこぉ…………!」
股間を行過ぎた濡れた指先が、尻肉の奥でひくつく穴に触れる。
二本までが一気に中に潜り込んで来たことを悟り、ルーンは怯えた声を上げた。
「やっ、そこっ、あぁんッ」
下から突き上げるように入った指が、感じやすい場所を突く。
「ししょっ、やっそこは違いますッ、師匠だめえ……!」
「前に入れたら、せっかく出て来かけていたものが戻っちまうだろうが」
荒い息を吐きながら、クルーガーは直腸に埋めた指をきつい締め付けに抗うように動かした。
ぐちゅぐちゅとはしたない音を立て、初めての穴が広げられていく。
「さっきはこっちを刺激して、男の分いったものな………」
瞳をすがめてささやくと、クルーガーはいきなりルーンを敷布の上に四つん這いにさせた。
「アッ、師匠、なにっ……!?」
怯える弟子の言葉をまた無視し、彼はその華奢な腰を持ち上げてしまう。
濡れそぼった裂け目からいまだあふれ出す粘液により、ルーンの内股から尻肉の狭間はてらてらといやらしく濡れ光っている。
薄赤く染まった尻たぶを押し広げ、クルーガーは先程まで指で慣らしていた穴を見つめた。
「やっ、ししょ、そんな風にしちゃ……」
か細いルーンの声も虚しく、クルーガーは縁を赤く腫らしながらもひくひくと息衝く入り口に満足そうな薄笑いを浮かべる。
「煽ってくれた礼だ。こっちの穴の中から刺激して、卵を押し出してやろう」
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