付ける薬もないぐらい・13



そう言うと彼は、ルーンの中途半端な愛撫によりいきり立つだけいきり立った男根をその尻に押し付ける。
ぬめりをこすり付けるように尻の割れ目に沿って上がった雁首は、かすかに口を開いたルーンの尻の穴の中にずぶずぶと飲み込まれていった。
「ひあっ…………!」
とんでもない痛みに、ルーンは大声を上げる。
「いっ、いたぁ、痛いぃぃっ! 痛い痛い、やっ師匠、違う、そこ違うよぉ!」
女にされた時には全くなかった激痛に涙が零れた。
愛撫によってだいぶ緩んではいても、クルーガーを楽々と受け入れられるほどではない。
「痛い、痛ぁい、師匠ッ、なんでぇ、下手になっちゃったの……!?」
ルーンも一応、処女が破瓜を迎える瞬間には痛みを伴うことぐらいは知っている。
だが先程女性器に彼を受け入れた時は、妊娠の恐怖に怯えはしても肉体的な苦痛はなかった。
むしろ与えられる快楽をこらえるのが大変だったぐらいだったのに、今はただ、痛い。
「違う、馬鹿っ……力を抜け、こら」
下手くそ呼ばわりされたクルーガーは、ぶっきらぼうにつぶやき小さな尻を揺する。
「いたっ! やぁ、裂けちゃう、だめえ、あうっ……!」
本当に裂ける寸前まで広がった縁を震わせ、抵抗しようとするルーンの耳元にクルーガーはささやいた。
「ここに入れて痛くないわけないだろ…………本当の女だったら、さっきのも相当痛かったはずだぞ」
処女を散らされた時のことを匂わされると、あの時の恥ずかしさが蘇ってくる。
切ないうずきが二つの性器に走り、体内の卵と師匠の男根をきゅうっと締め付けた。
「んんっ…………」
何とも言えない感覚に眉根を寄せるルーンの、痛みに縮こまった男性器にクルーガーは手をやる。
「……はっ……」
くびれをすくい上げるように扱かれると、一瞬痛みから気が逸れた。
「種付けの邪魔をする処女膜は要らないってわけだ。男を受け入れて悦び、卵を産んで悶えるいやらしいメスを作るのがあの化け物の望みだからな……」
「あふ……、う、うぅんっ……」
にちゃにちゃという音を立てながら、ひとしきり男性器を扱いた指先がまた女陰の頂点に戻って来る。
「あひっ………………ふぁ、はぁん」
男女の性器から恥ずかしい汁を垂らしながら、腰をくねらせよがるルーンの胸をクルーガーは掴んだ。
「あっ……! あん、ししょ…………」
朱鷺色に染まったとがりをこりこりと揉まれると、痛みに近い快楽に声がかすれる。
「乳首が硬いな。感じてるのか?」
「い、言わなっ、そんっ……、あああああっ!」
あちらこちらと愛撫の矛先を逸らされ、快感に忘れていた痛みが再び始まった。
ぷるぷると震える乳房を揉みながら、クルーガーは力を込めてルーンの尻を奥まで征服していく。
「はぁ…………あっ、ししょ、痛いよぉ…………っ」
目尻に涙を浮かべ、ルーンは肩越しに師匠を振り返った。
「し、ししょ…………ごめんなさ……」
ただの拷問でしかない苦痛に耐えながら、切れ切れの声でつぶやく。
「お、怒らない、で……、許してぇ…………」
役に立とうとがんばるのに、いつもいつも失敗ばかり。
ふなたり化するという悪夢の事態を引き起こした挙句、クルーガーが見つけてくれた解決策に満足に協力も出来ない。
自分はなんてだめな弟子だろう。
とうとう本当に、短気だけど心根は優しいはずの師匠を怒らせてしまったのだと思った。
「ごめっ……なさ、オレ、オレには、師匠しかいないんですっ…………」
ぽろぽろと涙を零しながら、ルーンは震える声で訴える。
「……めんなさ……、捨てな、で…………嫌いに……ならないでぇ…………」
両親はすでにこの世にない。
村人はルーンを売り飛ばす気だった。
どうしようもないこんな自分を、怒りながらも養ってくれるお人よしはクルーガーしかいないのだ。
彼にまで嫌われたら、生きていけない。
「…………本当に馬鹿だな、お前は……」


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