付ける薬もないぐらい・１４

かすかに眉をひそめ、自分も痛みを感じたような顔をしたクルーガーは苛立たしげにルーンの細腰を掴む。
「人の気も知らないで、この馬鹿弟子…………！」
「ひッ…………！」
根元まで埋めたものをずるずると引き出されていく生々しい感覚に、ルーンは息を飲んだ。
「やぁ、いたっ……、あ、あっ……!?」
先だけを残すところまで引き出されたものが、次の瞬間再び深くまで埋め込まれる。
「いたぁっ！　あぅ、やめぇ……、あ、あっ……！」
また悲鳴を上げたルーンに構わず、クルーガーは埋めたものをねじるように中で動かす。
乱暴な動きだが、彼の肉棒の先は的確にルーンの男の性感帯を擦っていた。
「ししょっ、変っ、そこぉっ………………」
たちまちぶるっと震えたルーンの尻を両手で掴み、クルーガーは激しく腰を動かし始める。
膣とは違う、勝手には濡れない穴は強引な抜き差しを繰り返されるたびにぴりぴり痛むのだ。
けれど痛みを次第に凌駕し、ルーンの体の奥から熱い快楽がにじんで来る。
それにつれて彼の男性器も女性器も、はしたなく蜜を零し敷布を淫らに濡らしていった。
「い、痛いのにィ……あつっ……、熱いよぉ…………！」
腹の奥でぶつかり合い、混ざり合う苦痛と快楽を感じるままにルーンは口にする。
女として犯された時の快感一辺倒だったものとは違う、二律背反する感覚にそのあまり良くない頭は付いていけない。
「ししょ、ししょお、何これっ熱っ……あ、ああぁっ……！」
混乱しながらも懸命に自分を呼ぶ、どうしようもない馬鹿弟子の耳元にクルーガーは唇を寄せた。
犯す側のクルーガーもクルーガーで、食い千切られそうな締め付けは快楽ばかりとは言えないらしい。
苦しげに眉根を寄せたまま、彼はかすれた声でささやいた。
「何十回と、捨てようと思ってたさ…………」
「ししょ、な、なにっ……、んぁ、あ！　ああんっ……！」
何事か耳元で声がしたことに気付き、聞き返そうとしたルーンの濡れそぼった男性器をクルーガーはまた握り込んだ。
「ああっ、やめてぇ、ししょ、だめぇもう……！　ああっ…………！」
溜まった精液を搾り出すように指を使われ、快感にルーンの肘が崩れた。
敷布に突っ伏し、かろうじて横を向いて息をしているその体をクルーガーは最早遠慮のかけらもない動きで突きまくる。
「あぁ、師匠っ……オレ、お尻、でっ……変、変なのにぃ……」
うわごとのように漏らす瞳は恍惚と潤んでいる。
その小さな頭の中は、尻を犯される快楽でいっぱいだ。
それを確認するように見てから、クルーガーは更に動きを早めつつこう言った。
「それと同じ数、オレは思い直して来たんだぞっ……！　分かってるのか、こら、ルーン……！」
「ひいぁっ……！」
女であっても本来は使われるはずのない穴の奥を、壊れそうなほど攻められる。
突かれるたびに結合部から熱い飛沫が飛び散り、ルーンはひくひくと背や尻を波打たせながら敷布を握り締めた。
「お尻…………熱ぅ、溶けちゃうっ……、あん、師匠のぉ、師匠のごりごり言ってぇ……ああああああんっ！」
絶叫とともに、一層きつく締まった穴が男を締め付ける。
「……くっ…………」
クルーガーは苦悶に近い声を上げながら、ルーンの中に二度目の精を放った。
「…………ん、んっ……また、熱い、のっ…………」
中に出される感触を味わいながら、ルーンは蕩けた声を漏らす。
その二つの性器からは、絶頂を遂げた証が溢れ出していた。
そして……
「…………ぁ、何か、出て、来るっ…………」
痛みと未知の快楽により、一時的に頭から追いやられていた卵が女性器を内側から押し広げる。
達したことにより麻痺したように感覚の鈍い足を伝い、粘液の糸を引きながら一つ、また一つと鳥の物より幾分小さい黄色っぽい卵は排出されていった。
「あ、あ、あ…………」
さっきはあれほど出すのに苦労したものだが、一度出始めると止まらない。
「…………まだ出て来るな」
「あぅ、んっ……」
やっと萎えた自分のものをルーンから引き抜き、クルーガーは尻を上げた格好の少年を後ろから眺めている。

←１３へ　　　１５へ→
←topへ